麻生太郎財務相は13日の衆院予算委員会で、森友学園への国有地売却に関して佐川宣寿国税庁長官への批判が集まっている問題が、16日から始まる確定申告に影響する可能性を否定しなかった。「そういうこと(納税者による反発などの混乱)は起きるかもしれないということは、十分思っておかなければならないかもしれない」と述べた。

 これに対し、質問した立憲民主党の長妻昭議員は、すでに納税者の間で批判が出ているとして、「鈍感すぎる。浮世離れしているんじゃないですか」と、麻生氏を批判した。

 長妻氏は、財務省理財局長時代の国会答弁で、保管すべき書類を「すべて廃棄した」と言い張った佐川氏に、一般の納税者が怒っていると指摘。最近になって学園と財務省側のやりとりを示す記録を財務省が提出し、佐川氏の答弁の根拠が崩れており、「あなたみたいな公務員は納税者の敵」など、納税者の批判の声をいくつか読み上げた。

 麻生氏は「現場において、今までのところ例年と比較して特段の支障は生じていないと思う」としながらも「そういうことは起きるかもしれない」と答弁。長妻氏が「何が起きるかもしれないのか」と突っ込むと、「いろいろな苦情が起きるかもと(長妻氏が)おっしゃったので、そういうことも起きるかもしれない」と述べたが、長妻氏は「もう起きている」と指摘した。

 また、確定申告の際、一般の納税者は帳簿や書類を5年から7年、保管しなくてはならないことに触れ、「すべて廃棄した」と述べた佐川氏について「(麻生氏には)監督責任がある。もっといえば、総理にも責任がある」と、指摘した。