スウェーデンのカロリンスカ研究所は1日、2018年のノーベル医学生理学賞を本庶佑(ほんじょ・たすく)京都大特別教授(76)に授与すると発表した。授賞理由は「がん治療法の発見」。免疫反応にブレーキをかけるタンパク質を発見し、新しい治療薬「オプジーボ」の開発につなげた。日本人のノーベル賞受賞は2年ぶり26人目。授賞式は12月10日、ストックホルムで行われる。

<本庶氏一問一答>

-吉報はいつ届いた?

本庶氏 午後5時前後にノーベル財団の私の知っている先生から電話があった。突然だったので、驚いた。私の部屋で、若い人と論文構成について議論している時で、思いがけない電話だった。

-研究で心がけているモットー

本庶氏 やはり何か知りたいという好奇心。もう1つは簡単に信じない。よくマスコミは(科学誌の)ネイチャーやサイエンスに出ているからという話をするが、その9割はうそ。10年たったら残っているのは1割といっている。まず書いてあることを信じない。自分の目で確認できるまでやる。それが、僕のサイエンスに対する基本的な考え。

-受賞まで長かった

本庶氏 長いとか、待ったとかは感じていない、僕はゴルフが好きで、よく行くが、そこに来ているメンバーから「これが最後のラウンドと思っていたが、(オプジーボで)ゴルフができる」という話をされるとこれ以上の幸せはない。何の賞をもらうより、それで十分だ。

-今一番したいこと

本庶氏 ゴルフの「エージシュート」。私は76なので「76」を出すことが最大の目標です。そのための努力は筋トレと、パターの練習。