静岡県を流れる狩野川のアユ釣りが20日、解禁となった。待ちわびた約500人(狩野川漁協調べ)の釣り客が思い思いの場所でサオを出した。

伊豆市にある旭水園の前では、5~10分おきにサオが絞り込まれていた。この場所に陣取って午前中だけで12~17センチのアユ29匹を確保した谷合克夫さん(61=東京都八王子市)は、「少し深みがあって流れが緩むところを選んだ。群れが濃く、数も型も申し分ない」と満足そうだった。吊り橋の上下流では泳ぐ姿も目視できるほど、魚影が濃かった。

雲金橋下流に入り、やはり午前中で51匹を釣り上げた地元在住の土屋仁さん(35)は、「アユのエサとなるアカが付着している浅場を探して、オトリを流した。昨年に比べて数が多い」と話した。

旭水園の菊地啓作店主(85)は、「30センチも減水しており、アカも腐り気味。水量の豊富なポイントにアユは固まっている。21日は雨の予報なので、まとまって降って、腐ったアカを飛ばしてくれれば条件は良くなる」と期待する。

狩野川漁協では3月上旬に8グラムの稚魚、5月上旬に30グラム前後の稚魚をそれぞれ2000キロずつ放流し、解禁に備えていた。

同川のアユ釣りは11月中旬まで楽しめそう。日券1700円、年券1万500円、オトリアユ1匹600円。問い合わせは、旭水園電話0558・87・0162。