台風15号の影響で、千葉県市原市のゴルフ練習場「市原ゴルフガーデン」の鉄柱が倒れ込んで住宅被害が出ている問題で10日、練習場オーナーや撤去を請け負う業者関係者が同市内で住民説明会を開催し、同意した住民に限り、週明けにも準備工事に入り、今月末にも鉄柱撤去を開始することを決定した。

参加した住民によると、この日は練習場オーナーとオーナー側弁護士、鉄柱撤去作業を無償で行うと表明した東京都江戸川区の大手解体業者「フジムラ」関係者が出席。鉄柱撤去の賛否を挙手で問われ、27世帯中25世帯が同意したという。

鉄柱撤去に関する説明会は先月26日にも行われたが、練習場オーナーとオーナー側弁護士は同席せず、「フジムラ」関係者だけが出席。数日以内に同意書提出を求め、全員の同意が得られないと撤去を進めない方針を打ち出していた。ある住民によると、この時は7割の住民が同意書を提出したという。また、今回の説明会でもオーナー側弁護士は「自然災害です」と話すなど、鉄柱撤去費用の負担以外は応じない方針が変わらないことを強調していたという。

鉄柱撤去に同意した会社員の松山高宏さん(55)は「撤去を進めてもらえないと、次に進めない」と話した。また、同意しなかった男性の父親で、説明会にも出席した会社員の湯浅泰一さん(65)は「国の調査結果が出てない中で、簡単に同意できないが、今回の撤去に応じなければ、今後、撤去費用は自己負担になると言われた」と頭を抱えた。さらに「息子の前後の家の方は同意していて、ウチだけ反対するというのも迷惑をかける。今後の近所付き合いを考えると、一方的に反対もできない。今後、よく考えないと」と複雑な胸中を話した。