米大統領選について、米世論調査の多くは直前までバイデン氏の優勢、トランプ氏の劣勢を伝えてきたが、投開票が始まると異例の大接戦となった。民主党ヒラリー・クリントン氏が優勢とされ、実際に票数で勝ちながら、獲得した選挙人の数でトランプ氏に敗れた前回16年大統領選に似た展開になりつつある。

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米政治サイト「リアル・クリア・ポリティクス」が集計した3日の主要世論調査による支持率は、バイデン氏50・7%、トランプ氏44%で、バイデン氏が6・7ポイント差をつけた。「ファイブサーティーエイト」が投票前日の2日に公表した世論調査でも、バイデン氏の支持率は49・1%、トランプ氏は46・6%でバイデン氏が2・5ポイント差でリードしていた。

米3大ネットなど主要メディアもトランプ氏の逆転には大統領選の度に大接戦となる「スイングステート(激戦州)」を制することが条件と報じた。だが、その激戦州でトランプ氏が攻勢に転じた。「リアル-」の集計では3日、激戦州の平均支持率はバイデン氏リードも、わずか1日でトランプ氏が2・8ポイント差から2・3ポイント差まで肉薄。フロリダ州では1・8ポイント差から0・9ポイント差とし、結局トランプ氏が逆転した。カリフォルニア州(55人)、テキサス州(38人)に次ぐ全米3位、激戦州では最多29の選挙人獲得は大きい。

前回も直前の世論調査では、民主党のクリントン氏がトランプ氏に3・2ポイント差をつけてリードしたが、トランプ氏が勝利した。2度続けての大激戦は、世論調査の数字だけが独り歩きしている課題を浮き彫りにした。「隠れトランプ」と呼ばれ、トランプ支持を公言しない「サイレントマジョリティー(声なき多数派)」の意思を集計しにくいという精度の問題も、あらためて明らかになった。

「全米世論調査協会」は16年の大統領選での調査内容に関し、17年、調査の精度に関する検証を発表する事態に追い込まれた。果たして今回は…?