全国の新型コロナウイルス新規感染者数が19日、前日の2203人を超え2日連続で最多を更新した。東京都は新たに534人が確認され、小池百合子都知事(68)は、感染者数および重症者数抑制に向けた会食時の合言葉「5つの小(こ)」を掲げ、都民らに徹底を呼びかけた。同日、有識者を交えて開かれた東京都モニタリング会議では、警戒度を4段階の最高レベルへ引き上げた。

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会食時のコロナ感染予防は「小」がキーワードだ。「小人数」「小一時間」「小声」「小皿」「小まめ」の5つ。ボードを掲げた小池知事は「合言葉で感染防止対策の徹底をしていただきたい。大人数では大声になりますし、長時間の飲食は気が緩みやすい。回し飲みはせずに取り分けながら、はしも共有しない。小まめにマスク、小まめに換気」と呼びかけた。第2波時に要請した飲食店の営業時間短縮など大きな対応ではなく、小技を積み重ねながら感染拡大を防いでいく。

政府の事業「Go To トラベル」「Go To イート」など経済回復を止めるわけにいかない事情もある。東京都でも2日連続で過去最多を更新する534人の新規感染者。この日のモニタリング会議では、感染状況に関する4段階の警戒度を最高レベル(赤色)の「感染が拡大している」に1段階引き上げることも決定した。同会議では新規感染者の7日間平均が先週の244人から326人に増え、現在の増加比約133%が4週間継続すると、約3・1倍の約1020人に達することも報告された。

検査数が増加する中で、無症状者を含む陽性者数が増えることは想定内だ。重症者数を増やさないことを最重要視している。「家庭内感染も最多となっている。重症患者を減らすためにも、高齢者や基礎疾患のある方は、なるべく会食を避けていただきたい」と要望した。

「5つの小」に加え、医療従事者への感謝の気持ち「『こ』ころづかい」も加えた。「医療関係者も年末年始は休んでほしいじゃないですか。命を救うために頑張ってくれている。そこに共感を抱いていただきたいし、みんなが年末年始を明るく迎えたい」と情にも訴えた。経済活動との両立を目指しながらの感染拡大防止で手詰まり感も漂う中、大きな政策ではなく、都民に「6つの“こ”」を求めた。【鎌田直秀】