将棋の第79期名人戦順位戦B級2組の最終戦、藤井聡太2冠(棋聖・王位=18)と中村太地七段(32)との対局が10日、大阪市の関西将棋会館で始まった。すでに藤井は2月7日の9回戦でB級1組への昇級は決めているが、勝利すれば2期連続で10戦全勝での昇級となる。現在は順位戦で20連勝中、公式戦は15連勝中と好調だ。さらに数字を伸ばすのか、注目される。

藤井のCM出演2社目となる飲料大手「サントリー食品インターナショナル」のサントリー緑茶「伊右衛門」のCMの全国放送が10日から始まった。

対局時、藤井は盤上で初手を指す前に必ずお茶を一口飲む「定跡」がある。その所作は「初手・お茶」としてファンに知られている。サントリーとのCM契約後、初めての「初手」も注目された。

9時41分に入室した藤井は、セカンドバッグからペットボトルの「伊右衛門」を取り出し、紙コップにそっと注いだ後、再びペットボトルをセカンドバッグに収めた。スポンサーに配慮しながら、盤上に集中するルーティンを貫く“藤井スタイル”だった。

午前10時、お互いに深々と一礼し、対局がスタート。先手の藤井はこれまで通り、お茶を一口飲み、心を落ち着かせてから、2六歩と飛車先を突いた。中村は飛車先を突き返した。

両者の過去の対戦成績は藤井の1戦1勝。

順位戦は最上位のA級からC級2組までの5クラスに分かれて戦い、A級の優勝者が名人挑戦者となる。 持ち時間は各6時間。夜には決着する見込み。