「スガちゃんまんじゅう」も緊急事態宣言だ。昨年9月、菅義偉首相の誕生を祝って発売された「スガちゃんまんじゅう」(1箱12粒入り、税込み700円)は昨年の約3カ月間で約3万2000箱以上を売り上げるヒット商品となった。

だが、今年1月に発令された2度目の緊急事態宣言から売り上げは急落、4月の再々発令で激減した。昨年10月には単月最高の約2万箱の売り上げをピークに今年1月は306箱に減少し、4月はついに165箱まで急落した。製造販売する菓子会社「大藤」(東京・荒川区)の大久保智文社長(43)は「まさに緊急事態宣言です」と天を仰ぐ。

安倍晋三前政権を引き継いだ菅首相は無派閥のたたき上げ、農家の長男など庶民派宰相として就任当初は注目を集めた。発売当初から「スガちゃんまんじゅう」は完売ラッシュで品切れ続出。急きょ、製造工場を増やすなど「さスガ」の売れ行きだった。

同社では第1次安倍晋三内閣が誕生した2006年9月に「晋ちゃんまんじゅう」を発売し、年間55万個を売り上げるメガヒットとなった。安倍政権を継承した「スガちゃんまんじゅう」でも大ヒットを狙ったが、コロナ禍の緊急事態宣言で大ピンチに。同社では契約工場の1つをストップし、本来ならフル増産態勢の大型連休中に従業員の一部を休業とするなど厳しい状況だ。「なんとか緊急事態宣言の解除と、新型コロナの収束を祈るばかりです」(大久保社長)と、「スガる」思いだ。【大上悟】