将棋の最年少5冠、藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖=19)が22日開場する名古屋駅前に建つ複合商業施設「ミッドランドスクエア」25階の名古屋将棋対局場の「こけら落とし対局」に登場し、史上最年少の「名人ロード」をスタートさせる。

名人獲得1期を含め、史上最年少の18歳1カ月でA級初昇級をはたした「ひふみん」こと、加藤一二三・九段(82)が「A級順位戦」について語った。

   ◇   ◇   ◇

今期のメンバー10人を見渡しますと、誰もが挑戦者になる可能性があります。実力は紙一重。対戦表を見て、星勘定をしているはずです。A級初昇級の藤井5冠にも当然チャンスはありますが、事前に先手後手が決まっていますし、ほかの9人は必ず対策を練ってくると思います。厳しい戦いになると覚悟しておいた方がいいでしょう。

名人挑戦権を得るにはスタートダッシュを決めて前半しっかり勝ち、「白星先行」で折り返すこと。藤井5冠の場合、これから夏場にかけて防衛戦で地方を転戦します。夏場に対局が多いのは、体力的にも負担になります。

クーラーをつけたまま寝ると疲労感が残る私は、夏場でもつけないで寝ていました。1年戦う長丁場。まさに、体力勝負です。

◆順位戦 最上位のA級からC級2組までの5クラスに分かれて戦い、A級の優勝者が渡辺明名人への挑戦者となる。1年1期で各組のリーグ戦を行い、成績によってそれぞれ昇級、降級をする。新人プロ棋士は等しくC級2組からスタート。2階級特進の「飛び級」はなく、名人になるには最短で5年がかかる。