仲邑菫三段が、囲碁界史上最年少の13歳11カ月での初タイトルを獲得した。

6日、東京・市ケ谷「日本棋院東京本院」で打たれた第26期ドコモ杯女流棋聖戦挑戦手合3番勝負第3局で、上野愛咲美女流棋聖(21)に250手までで白番中押し勝ち。シリーズ2勝1敗として、初の中学生タイトル保持者となった。これまでの最年少記録は、藤沢里菜女流本因坊・女流名人(24)が2014年(平26)の第1期会津中央病院杯(現女流立葵杯)を制した15歳9カ月。規定により、女流棋聖を名乗るのは7日付から。

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上野がひるんだ。「ハンマー」の異名を取るほどの強烈パンチの持ち主が中盤、戦うかどうかをためらった。「やれそうかと思ったんですけど、急に形勢が良さそうで動揺しちゃった」。苦笑いするしかなかった。第2局はリードを奪いながら、緩手を連発して手痛い半目差(競馬で言う「鼻差」)の逆転負け。今局も勝てる局目はあった。「いつものように行くべきでした」。藤沢里菜女流名人への挑戦権を争う挑戦者決定リーグ戦では、仲邑とともに4連勝でトップを並走。次に激突する。リベンジするしかない。