将棋の藤井聡太6冠(竜王・名人・王位・棋聖・棋王・王将=23)が7日、大阪府高槻市の関西将棋会館で行われた第11期叡王戦本戦トーナメント1回戦で山崎隆之九段(44)を下し、26年初戦を白星で飾った。午(うま)年の年男となる今年は、プロデビュー10周年の節目となり、「全8冠復帰」に好スタートを切った。
振り駒の結果、藤井が先手に決まった。個性的な将棋が持ち味の山崎は大駒の飛車を4筋に振る戦型「四間飛車」を採用。藤井は金と銀で周りを固め、最も守備力の高いとされる穴熊に組み、対抗した。
途中から前例のない局面となった。「序盤の工夫はまだまだ取り組みとしては、十分ではないと考えている。テーマとして取り組んで、作戦の幅、対応力を高めていきたい」と今年の目標を掲げた藤井にとって、いきなり真価が問われた。
終盤に優勢を築くと、着実にリードを拡大し、安定した指し回しで勝利した。
藤井は昨年、7冠を保持してスタートし、名人、王位などを防衛し、竜王戦で5連覇を達成し、自身3つ目の「永世称号」を獲得した。タイトル通算獲得数は歴代単独4位の32期に到達。一方、王座戦5番勝負で伊藤に敗れて王座を失い、6冠に後退した。
全8冠復帰へ、まずは第1関門を突破した。あと3勝で同学年のライバル・伊藤匠(たくみ)叡王への挑戦権を獲得できる。
「8冠を意識するのはなかなか難しいが、実力を上げることで近づけると思う」。慢心なき23歳が軽快にうま年のスタートを切った。【松浦隆司】

