藤井聡太王将(竜王・名人・王位・棋聖・棋王=23)が5連覇を目指して、昨年と同じく永瀬拓矢九段(33)の挑戦を受ける、将棋のALSOK杯第75期王将戦7番勝負第1局が11日からの2日制で静岡県掛川市の「掛川城二の丸茶室」で開幕する。対局前日の10日、両対局者は現地入り。掛川市役所で行われた「掛川こども王将戦」を視察した後、対局場の検分、記者会見を行い、前夜祭に出席した。

2年連続3回目の王将戦登場となる永瀬は、会見で「チャンス」という言葉を意識して何度も使った。拙戦に持ち込むため、どんな戦い方が求められるか問われた時だった。

「最近少し時間があったので過去の自分の対局を振り返って見直した時に、チャンスというチャンスがきている将棋も多くあったので、そこで勝てていればフルセットにできていたんじゃないかと思う。チャンスを正確に拾う」と話した。

参考にしている棋士がいる。藤井と同学年の伊藤匠2冠(叡王・王座)だ。伊藤は一昨年に叡王、昨年は王座とたて続けに藤井からタイトルを奪った。

対藤井戦で自らと比較して永瀬は、「チャンスという局面でチャンスをつかみきる。チャンスを1度逃してしまうとなかなか来ませんので、そこをつかみ切れるかどうかが勝負にとって大きいと思っています。そこが長年の私の課題でもあるんですけど。チャンスを作れている回数では上位だと思いますので、そこを勝敗に直結できるようにしたいなと思います」。

永瀬は昨年の王将戦で藤井と初めて2日制7番勝負で対戦。1勝4敗に終わった。続く名人戦も同スコアだったが、王位戦は2勝4敗とわずかながら差を詰めた。しかも、藤井から初めてタイトル戦で連勝している。よく口にする「2日制の経験値」は確実に上がっている。

「最近は、ここ数年とは違うアプローチで勉強への取り組み方を変えている。それが藤井王将に対して通用するかどうか。対抗できるように頑張りたいと思います」と決意を述べていた。