政治学者で東京科学大教授の中島岳志氏が23日に更新された、フリーアナウンサー古舘伊知郎のYouTubeチャンネルに出演。高市早苗首相が「誰と戦っているのか」について実名を挙げて推察した。
今回の動画で中島氏は、次々と繰り出される古舘の質問に的確に答えつつ、今回の突然の衆議院解散や衆院選(27日公示、2月8日投開票)の背景、自民党内部の問題、中道改革連合について、日本はどんな社会を目指すべきか、「本当の保守」の姿とは…、などさまざまなテーマについて1時間半以上にわたって詳しく解説した。
冒頭で高市首相がこのタイミングで衆議院解散に踏み切った話題になった際、中島氏は「“高市さんは誰と戦っているのか?”って言うのがあると思うんですけれども…」と切り出した。
そして「これね、野党でもないんですよ。(自民党の)麻生(太郎)さんと戦ってるんだと思います」との見立てを示した。
古舘が「自分を総理に押し上げてくれた麻生さんと戦っている?」と興奮気味に身を乗り出して聞くと、中島氏は「つまり、“主導権”ですよね。つまり、高市さんとしては自分でやりたいことがある、と。特に積極財政っていうのがあるわけですね。一方で、自分を押し上げてくれて、総理大臣にしてくれた土台を作ってくれたのは麻生さんだと。麻生さんがやっぱり、“党”のほうを牛耳っているわけですね。幹事長っていうのはもう、麻生さんの身内で固めている。そうなるとですね、自分のやりたいことに常に口をはさんできて、特に麻生さん、財務大臣長かったですから、そういったことで“ブレーキ”をかけてくると。やっぱり“目の上のたんこぶ”っていうんでしょうかね。それを取り除いて自分で…、ってやりたいと思った時に、彼女は“官邸対自民党”っていう構図があるんだと思いますね」などと分析した。
そして、安倍晋三さんは党とうまくやりながら官邸も強い状態にしていたのが上手だったなどという趣旨の話になった後、中島氏は「高市さんはもっと孤独なんだと思いますね。総理大臣ってあんがい情報が入ってこないんですよ。総理大臣にとって“耳の痛い話”って言うのは官房長官が止めてしまったりとかするので、結局”良い話“ばかりが聞こえてきたりとか。安倍さんの時とか“毎日会食してる”とか言われましたけど、(会食などは)案外重要なんです。いろんな人と会っていくことによって、ガードされている以外の情報が入ってくるっていうのがあるんですが、どうも高市さんは官邸にこもって“自分で…”っていうふうな思いが強い分、情報はたぶん“身近な人とネットだけ”だと思いますね。そういう状況で、ネット上では大きな人気がありますから“いけるんじゃないか”ってふんだと思います」などと推察した。
また、中島氏は「麻生さんにとっても(このタイミングでの解散は)想定外だったと思いますよ」と話した。古舘が「麻生さん、本当に“裏切られた”と思って怒ったのかな…」と言うと、中島氏は「はらわた煮えくりかえるくらいの話だと思いますね。幹事長が知らない解散、っていうのは僕はちょっと記憶にないですね」などと述べた。
中島氏はテレビ朝日系「報道ステーション」でレギュラーコメンテーターを務めた。「『リベラル保守』宣言」「自民党:価値とリスクのマトリクス」など多数の著書がある。

