藤井聡太棋王(竜王・名人・王位・棋聖・王将=23)が2期連続で増田康宏八段(28)の挑戦を受ける、将棋の第51期棋王戦コナミグループ杯5番勝負第3局が1日、新潟市「新潟グランドホテル」で行われた。角換わりから工夫の作戦で挑んだ増田に対し、いったん優勢に立った藤井が終盤で寄せ損ねて失速。午後7時8分、108手で敗れて、増田に2勝目を献上した。初タイトル獲得まであと1勝とした増田に対し、シリーズ1勝2敗の藤井はもう負けられなくなった。第4局は15日、栃木県日光市「日光きぬ川スパホテル三日月」で行われる。

ハアッと大きくため息をついて、藤井が投了した。双方1勝1敗、今後のシリーズの行方を占う重要対局で黒星となり、4連覇が危うくなった。「終盤の一番大事なところでやってはいけないミスが出てしまった。手段がありそうでしたが、いい手の組み合わせが見つからなかった」と悔やんだ。棋王戦に初めて登場した3年前、このホテルで行われた第3局でも当地で詰み筋を逃し、渡辺明棋王(当時)との激戦の末に敗れている。歴史が繰り返された。

現在行われている王将戦7番勝負も永瀬拓矢九段に1勝3敗。こちらも1勝2敗で、初の「ダブルかど番」となった。一気に6冠から4冠のピンチに立たされた。

過去のタイトル戦5番勝負で第3局を終えて1勝2敗は2回ある。同学年の伊藤匠の挑戦を受けた一昨年の叡王戦と、昨年の王座戦だ。ともに第4局で追いついたが、最終第5局で敗れ、失冠した。

「スコアとして苦しい状況。精いっぱい頑張りたいと思います」。来週8~9日の王将戦第5局(大田原市「ホテル花月園」)と、棋王戦第4局は、過去タイトル戦5戦5勝の栃木県での対局だ。好相性の地で白星を重ね、奇跡の大逆転防衛を目指す。

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【記者の目】厳しい藤井聡太包囲網 ライバルが「鉱脈発見」で優位に…棋王戦、王将戦ともにかど番