こんにちは。先週のジャパンカップは、非常に白熱した大接戦のレースになりました。

勝ったムーア騎手は誰もが知る世界最高峰の騎手ですが、今回のレースでも全ての人を魅了する素晴らしい騎乗だったと思います。特に、狭いところで馬のアクセルを踏みながら一瞬の隙間をはじけるように突き抜けた点はこれぞ世界一の技術だと感激しました。焦りなどで冷静な判断と進路を確保できない人がほとんどの中、大レースでも冷静沈着に騎乗できるのは名手の証明だと思います。

また上位4人の外国人騎手のたたき合いは、コロナ前は当たり前の光景でしたが、久しぶりに日本人騎手たちを刺激するいいレースになったと思います。今年の秋のG1戦線は、毎週のように外国人が馬券圏内に入っています。もちろん、騎乗馬たちが素晴らしいこともありますが、日本人騎手以上に攻めの騎乗をしているのが理由の1つだと思います。日本人にとっては危険な騎乗と感じてしまう部分もあるかもしれませんが、イギリス、フランス、オーストラリアなどで活躍する騎手は、より厳しい環境で騎乗しているので、それも外国人騎手にとっては戦略の1つです。ぜひ日本人たちにも、もっと攻めた騎乗で外国人騎手に対抗して欲しいですし、日本人の技術力なら必ずできると思っています。

今回勝利したヴェラアズールには、来年の凱旋門賞にぜひ挑戦して欲しいです。走り方や血統面から、この馬がパリロンシャンの馬場でどんな走りをするのかぜひ見たいと思います。

最後に私は香港国際競走に出走する日本馬のサポートのため29日、香港へ出国します。来週のコラムでは、現地での近況をご報告します。お楽しみに。

(レースホースコーディネーター)

ジャパンCを制したヴェラアズールとムーア騎手(中央)(撮影・柴田隆二)
ジャパンCを制したヴェラアズールとムーア騎手(中央)(撮影・柴田隆二)
ジャパンCを制したヴェラアズール(撮影・柴田隆二)
ジャパンCを制したヴェラアズール(撮影・柴田隆二)