「会心の騎乗だったと思います」という森騎手の絶妙な手綱さばきで黒潮盃を逃げ切った大井のエスポワールガイ(牡3、市村)。レース後、興奮冷めやらぬ市村師は「戸塚記念に行くか、ダービーグランプリに行くか、アフター5スター賞に行くか、その3択なんです」と次走を模索していた。3歳戦でさらに距離を延ばすのか、短距離に戻り古馬に挑むのか。初距離の1800メートルをこなしたことで選択肢が広がっていた。

選んだのはあさって10月2日に盛岡で行われるダービーグランプリ(M1、ダート2000メートル)。「距離はちょっと長いかなと思いますが、気持ちは負けていません」と師。黒潮盃から約1カ月半、3択のなかで最もローテーションに余裕のあるところを選択した。10戦3勝だが、5着以下もなく、ここにきて馬体は急成長。底は見えていない。

師のダービーグランプリ挑戦は水沢で行われた17年以来2度目。前回は黒潮盃4着のクラキングスで挑み7着だった。盛岡は18年にフレアリングダイヤでオパールCに臨み7着。その経験も生かせるか。「オールラウンダーを目指して」と前走に続く距離克服を期待して送り出す。【牛山基康】