後半の2日間が船橋とのダブルナイターで行われた12日までの大井。矢野貴之騎手(39)は5日間の開催ながら4日目の時点で15勝を挙げていた。最終日は最終レースの1勝に終わったが、それでも1開催で16勝はかなりの数字だろう。

86年以降を集計した手元のデータでは大井での1開催の最多勝は16勝。直近では12年9月17日からの開催で戸崎騎手が達成した。それ以前に的場騎手が2回、内田博騎手が1回、16勝を挙げたが、いずれも6日間の開催。5日間に限れば戸崎騎手が唯一だった。集計期間が限られ、公式発表もなく、タイ記録とは書けないが、これに並んだ。それを聞いた矢野騎手は「あと1個か…。僕らしいといえば僕らしい」と超えられず苦笑い。「今回は(笹川騎手の)騎乗停止だったり、船橋と同時開催だったり、いろいろ重なっていた。そのなかで勝たせていただいたもの。勝たなければいけないレースもあった。それでも何より無事に終わるのが一番。気を引き締めていきます」と話していた。

ちなみに南関東全体では船橋で2回、5日間の開催で17勝があった。00年に石崎隆騎手、07年に内田博騎手が達成。「まだまだ甘いですね。その域には達していない」と矢野騎手。レジェンドの数字に近づいてもおごりはない。【牛山基康】