川崎に調教師の定年が導入され、今月で引退となる八木仁調教師(81)。これまでの競馬人生を「みなさんに感謝しかない。ファンやいろいろな人たちの支えがあって、楽しい思いもさせてもらい、それが活力になっていた」と振り返る。

今月で引退となる八木仁調教師
今月で引退となる八木仁調教師

師の父は日本の最高齢調教師として09年に92歳で亡くなるまで現役を続けた正雄師。その父に仕事を継ぐように言われていたが、体格もあって騎手にはならず25歳まで好きなカーレースに打ち込んでいたという。耐久レースなどに参戦していたそうだが、父との約束通り、26歳で転身。厩務員から調教師補佐、調教師とステップアップした。「父であり、師匠であり、ライバル。いい経験をさせてもらいました」。87年に42歳で厩舎を開業。02年にキングセイバーで東京ダービーを制した。「調教師、厩務員、ジョッキー、オーナーが一体になってダービーに向かっていっても、運がなかったら挟まれたり、外に持っていかれたりする。常日ごろからしっかりやっていないと運も向いてこないけど、あの時は運も向いていたのかな」と懐かしむ。

今や東京ダービーも中央交流。「ダービーを取りたくて調教師になる人は多いだろうから、これからの調教師は大変だろうけど、調教の仕方を工夫したりして頑張ってほしい」と後輩にエールを送る。【牛山基康】