2年連続でケンタッキーダービーの馬券発売が実現しました。今年も予想には頭を悩ませました。米国の西地区、東地区、中部地区の選抜レースを勝ち上がってきた馬と海外選抜組が、ここで初めて顔を合わせるのですから、力量比較が難しいうえ、どの馬もこの距離(2000メートル)を走るのは初めて。チャーチルダウンズの経験の有無や、競馬場を1周するツーターンへの向き不向きなど、馬券的にはこのあたりも見逃せない要素になります。
フルゲートは米国最大の20頭で、多頭数を苦にするもまれ弱い馬、スタミナのない馬には厳しい競馬になります。枠順も重要でゲートが導入された1930年以来の統計で最も多くの勝ち馬(10頭)を出している5番枠はタピットトライスが引き当て、逆にまだ1頭も勝ち馬が出ていない17番枠には取り消し馬が出て1枠内にずれたデルマソトガケに代わってロケットキャンが入っています。
その他の注目ポイントを挙げてみましょう。
フルゲートの20頭のうち、トッド・プレッチャー調教師が3頭、ブラッド・コックス調教師は4頭を出走させています。特にプレッチャー厩舎は1番人気が予想されるフォルテ、2番人気になりそうなタピットトライス、それに出走馬中、唯一の不敗馬キングズバーンズを送り出して層の厚さをアピールしています。フォルテは5連勝、タピットトライスは4連勝、そして、デビューの遅れたキングズバーンズは今年デビューから3連勝で本番に臨みます。ケンタッキーダービーで同厩舎ワンツーは1948年にベン・ジョーンズ厩舎のサイテーション1着、コールタウン2着が最後。プレッチャー厩舎が、ワンツーなら75年ぶり、もしも3着までを独占すればダービー史上初の快挙です。
ダービー馬はダービー馬からと言いますが、今年、それに該当するのはヴェリファイング(父は3冠馬のジャスティファイ)だけです。種牡馬で注目はチャンピオンサイアーのタピットとイントゥミスチーフ。後者は2020年優勝のオーセンティックと2021年のマンダルーンを送っていますが、前者はまだ未勝利。今年は直子のタピットトライスが産駒の初優勝に挑みます。優秀な母の父でもあるタピットは、そのポジションでキングズバーンズ、ロケットキャン、ヒットショー、ディスアームの4頭を送っています。
芦毛馬の優勝は2005年のジャコモを最後に出ていません。今年はタピットトライス、ロケットキャン、ヒットショー、リインカーネイト、それにキングラッセルの5頭が芦毛馬です。
昨年のリッチストライクは絵に描いたような“残り物に福”でした。今年最後に滑り込んだのはキングラッセルでした。キャリアは6戦1勝。G1アーカンソーダービーで2着して40ポイントを獲得、ぎりぎりボーダーラインに食い込みました。
コンティノアールの欠場は残念ですが、日本の2頭のレースぶりにも注目して今年も「最高の2分間」を楽しみたいと思います。(ターフライター奥野庸介)
成績等は2023年5月5日現在



