今年は輸入種牡馬の数が多いなあ、と思っていたら、木曜(14日)にダーレー・ジャパンより新たに2頭の新種牡馬パレスマリス(牡13、父カーリン)とヨシダ(牡9、父ハーツクライ)の導入のお知らせが届きました。

ダーレーは、先月に一昨年のG1英ダービーや“キングジョージ”を制したアダイヤー(牡5、父フランケル)と、昨年の全欧チャンピオンに輝いたバーイードの全兄で、昨年のG1コロネーションCと今年の“キングジョージ”に優勝したフクム(牡6、父シーザスターズ)の導入を発表。アダイヤーやフクムは欧州でけい養されても人気になったであろう大物で、2頭をそろって日本に送ることを決めたモハメド殿下の熱意に驚かされたばかりでした。

米国から追加投入? となったパレスマリスは、G1有馬記念に出走するジャスティンパレス(父ディープインパクト)の半兄。3歳時に3冠最後のG1ベルモントSを制し、古馬になってダート1600メートルのG1メトロポリタンHに優勝。産駒には昨年、レックススタッドが導入したストラクターや、今週のG1朝日杯フューチュリティSの有力馬となっているジャンタルマンタルなどがいます。

もう1頭のヨシダは日本でもおなじみの馬。2015年のセレクトセール1歳セクションで9400万円(税抜き)で落札されて米国に送られると芝のG1ターフクラシックSとダートのG1ウッドワードSに優勝、日本産馬で初めて米国のダートG1競走を制しました。

ハーツクライ産駒のヨシダはもちろん、パレスマリスも産駒は芝、ダートの二刀流。ダーレージャパンには(おそらく再来年に種牡馬入りする)レモンポップ(父レモンドロップキッド)もいて、一挙にラインアップが厚くなりそうです。

今年はこれ以外にも4頭の海外一流馬が輸入されています。


ヘニーヒューズやシルバーステートなどをけい養する新冠の優駿スタリオンステーションはG1愛ダービーとG1サンクルー大賞を制したウエストオーバー(牡5、父フランケル)と、エーピーインディの直子で産駒がすでに米国G1を制した実績を持つオナーコード(牡12)の2頭を導入しています。初年度の交配料はウエストオーバーが250万円、オナーコードは180万円と発表されています。

来年、タイトルホルダーを新種牡馬として迎える静内のレックススタッドは、米国で4戦全勝で引退し、ケンタッキーで種牡馬になっていたマスタリー(牡9、父キャンディライド)を輸入しました。交配料は120万円とリーズナブルです。

日本軽種馬協会は、昨年の北米ファーストクロップサイアーチャンピオンに輝いたシャープアステカ(牡10、父フロイド)を導入しました。父のフロイドはジャイアンツコーズウェイの全弟。JBBA静内種馬場で、交配料150万円で供用されることになっています。

(ターフライター奥野庸介)

※競走成績などは2023年12月15日現在