欧州の3歳と古馬のトップが激突する注目のG1エクリプスS(芝1990メートル、サンダウン)が土曜(5日)に近づきました。

エクリプスSは英ダービーと、キングジョージ6世&クイーンエリザベスSの間に位置する歴史ある重賞競走。レースの重みは過去の勝ち馬のラインアップにも表れ、ここ10年の勝ち馬からはゴールデンホーン、ロアリングライオン、エネイブル、ガイヤース、セントマークスバシリカの5頭が、のちに全欧年度代表馬に選出されています。負担重量は4歳以上の牡馬・せん馬が9ストーン9ポンド(約61キロ)、3歳の牡馬・せん馬は8ストーン13ポンド(約56・5キロ)。3歳馬に有利な設定です。

今年は6頭立てになりました。枠番、馬番、馬名、性齢、騎手、ブックメーカーの前売りオッズは以下の通りです。

枠(1)馬番(6)ルーリングコート(牡3)O・マーフィー騎手(10・0倍)

枠(2)馬番(3)▲カミーユピサロ(牡3)C・スミヨン騎手(9・0倍)

枠(3)馬番(4)△ドラクロワ(牡3)R・ムーア騎手(7・5倍)

枠(4)馬番(2)○ソジー(牡4)M・ギュイヨン騎手(5・5倍)

枠(5)馬番(1)◎オンブズマン(牡4)W・ビュイック騎手(2・0倍)

枠(6)馬番(5)ホタズヘル(牡3)S・フォーリー騎手(34倍)

1番人気は先のロイヤルアスコット開催に行われたプリンスオブウェールズSを快勝したオンブズマン(牡4、父ナイトオブサンダー)。2番人気は現在、凱旋門賞の1番人気となっているソジー、これに続くのが3歳の2頭で、仏ダービー優勝から向かうカミーユピサロ(牡3、父ウートンバセット)と英ダービー(9着)で1番人気を裏切ったドラクロワ(牡3、父ドバウィ)。エイダン・オブライエン勢がほぼ肩を並べています。

オンブズマンは昨年6月のデビュー以来、ここまで6戦5勝。プリンスオブウェールズステークスは勝負どころで何度も前が詰まりながら残り200メートルから鬼脚を爆発させて優勝、この路線のトップに浮上しました。前走を見る限り、まだまだ伸び代のありそうな逸材。ここが試金石になりそうです。

満を侍しての参戦となるソジーは、これが英国初挑戦。昨年の凱旋門賞は不良馬場に持ち味を殺されてブルーストッキングの4着でしたが、年が改まってからはパリロンシャン競馬場のG1ガネー賞(芝2100メートル)とG1イスパーン賞(芝1850メートル)を連勝。エクリプスSに照準を合わせたローテーションでここに備えました。陣営の思惑はここを勝って中距離王を確定させて、あとは凱旋門賞をめざして、じっくりと秋に備えたいところでしょう。

カミーユピサロは3歳馬ながら、ここが11戦目とキャリア豊富。仏2000ギニー(芝1600メートル)は3着でしたが、距離を伸ばした仏ダービー(芝2100メートル)では見違えるような末脚を披露しました。2歳セリで125万ギニー(約2億5700万円)の高馬で、クールモアの中でも期待の大きかった馬。約800メートル続く長い直線を追い風にして古馬二強に挑みます。

英ダービーでは、まったく良いところのなかったドラクロワですが、ともに芝2000メートル戦で行われた3月のG3バリサックスSと5月のG3ダービートライアルSを連勝していて、得意距離で出直し戦となります。同じく英ダービーで評価を失墜させたザライオンインウインター(6日の仏G1ジャンプラ賞にエントリー)とともに、巻き返しを期待したい馬です。

エクリプスSの上位馬はダノンデサイルが参戦を計画する8月20日(水曜)のG1インターナショナルS(芝2050メートル、ヨーク)に向かうことが予想されます。

(ターフライター奥野庸介)

※競走成績などは2025年7月4日現在