ニュージーランドで活躍する日本人の柳田泰己(やなぎだ・たいき)騎手(28)が3日、ケンブリッジ競馬場で落馬し、意識不明の状態となっていることがわかった。

ニュージーランドの22~23年シーズンの開催初日となった3日のケンブリッジ競馬場。柳田騎手は5Rでシーズン初勝利を挙げるスタートを切ったが、最終9Rで落馬事故に遭い、ワイカトの病院へ運ばれている。現地紙「ニュージーランド・ヘラルド」電子版によると、頭部と脊椎の損傷と診断されており、現在は昏睡(こんすい)状態で、頭部の外傷の程度がわかるまでに4、5日かかるとされている。また、日本から柳田騎手の家族が現地に向かっていることも伝えている。

ニュージーランド競馬の情報サイト「ラブレーシング・ニュージーランド」はSNSで柳田騎手が落馬事故に遭って病院に搬送されたことと、同騎手を励ますメッセージを投稿。柳田騎手は「タイガー」の愛称で呼ばれており、SNS上ではニュージーランドの同僚や競馬関係者、ファンが「タイキのために祈ります」「タイガー、回復してください」「タイキ、あなたにはみんながついています」と次々にメッセージを寄せている。

柳田騎手は高校時代にジョッキーに憧れ、日本の競走馬育成牧場で経験を積んだ後、オーストラリアへ。17年にニュージーランドでデビューし、着実に評価を上げてきた。昨シーズンの柳田騎手はキャリアハイとなる42勝を挙げ、1月のG2ウェストバリークラシックで重賞初制覇を挙げると、3月にG3サンラインヴァーズで重賞2勝目を挙げ、ニュージーランドオークス騎乗も果たした(これまでの通算は162勝)。「ニュージーランド・ヘラルド」は「(ニュージーランド)北島で最も躍進している人気ジョッキー」と紹介している。日本国内の競馬関係者とも親交があり、今後の活躍が期待される柳田騎手の回復を多くの人が願っている。