JRAのルーキー今村聖奈騎手(18=寺島)が通算31勝目を挙げて“G1騎乗資格”を手にした。

20日土曜の小倉6R2歳新馬(ダート1700メートル)で1番人気ヤマニンウルス(牡、斉藤崇)に騎乗。好位追走から3~4角で先頭に立つと、直線は後続を離す一方だった。1分44秒3のレコードでの大差勝ち。2着馬との4秒3差は、グレード制導入の84年以降で、JRA平地レースの最大着差だった。

今村騎手は「調教通りの動きができましたし、精神的にも大人だなと感じさせてくれました。乗せていただいて大変光栄だなと思います」と感謝を口にした。自身のJRA27勝目となり、地方競馬での4勝と合わせて、JRA・G1騎乗に必要な31勝に到達した。

デビュー169日目での31勝目は、現行の規定となった96年以降では96年福永祐一騎手、08年三浦皇成騎手(ともに128日目)に次ぐ3番目のスピード記録となった。

先週は地方の盛岡と浦和でも白星を積み重ね、13日土曜の小倉でフェニックス賞を制して王手をかけていた。節目の数字が見えてきても「目の前にある1頭1頭としっかり向き合うだけです」と意に介さず、1鞍1鞍に全力を注いできた。そんな中でつかんだ記念すべき1勝だった。

「デビューして半年以上がたったなか、だいぶレースには慣れてきたかなという部分はあったんですが、最近になってやってはいけない妨害行為、接触行為などがありました。現状ではダメだと思いますし、地に足をつけて、デビューしてから言っていた『目の前のチャンスをしっかりものにする』ということを、今まで通り変わらずやっていきたいと思います」とより一層、気を引き締めていた。

JRAの秋のG1シリーズは10月2日のスプリンターズS(芝1200メートル、中山)から開幕。1年目でのG1初騎乗となるか、ますます目が離せない存在となった。