年末恒例「2022年中央競馬10大ニュース」の発表だ。今年は、東西の現場キャップを務める東京・木南友輔記者と大阪・太田尚樹記者が選定した。福永祐一騎手(46)、藤沢和雄元調教師(71)、オジュウチョウサン(牡11)と“レジェンド”の引退が上位にランクインする一方で、ルーキー今村聖奈騎手(19=寺島)の活躍も話題だった。

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太田 元気ないやん。

木南 わかります? 「オジュウロス」で…。

太田 オジュウチョウサンの引退(8位)ね。

木南 ファンファーレを聞いて、こみ上げてくるものがありました。引退式は「これ本当に土曜なのか、最終レース後なのか」と。信じられない人の数、ファンの数でした。オジュウ、和田正厩舎、石神騎手、関係者へ「本当にお疲れさまでした」と言いたいです。

太田 10大ニュースでも17年から6年連続ランクイン。馬では最長記録やろ。

木南 福永騎手も引退しますね(1位)。調教師試験に一発合格。現役は来年2月末までです。

太田 13年連続のJRA年間100勝で自身の持つ最長記録を更新。全盛期での引退やからね。さみしいけど「こんなに楽しい仕事をしていて、もっとやりたいことが見つかったのは驚きであり幸せ」って聞いた。福永厩舎も楽しみや。

木南 調教師では藤沢和雄先生が定年を迎えました(3位)。最後の最後まで一流馬を管理し続けたのがすごい。2月末までに11勝。年間に換算したら66勝ですから、リーディングを争ってたんじゃないですか。

太田 引退するレジェンドも多いけど、武豊騎手は53歳の今も健在や(2位)。前人未到のダービー6勝目で最年長V記録も更新。公言する目標「60歳現役」も現実味を帯びてきたな。

木南 若手も負けじと活躍しましたね。今村聖奈騎手は史上5人目のルーキーで50勝到達(5位)。女性騎手の年間最多勝記録も更新しました。

太田 技術だけやなくて頭脳もさえてる。話すスピードが速くて、オジサン記者はメモが追いつかん。

木南 フレッシュといえば、G1初制覇の多い年でもありました。騎手では丸田、横山和、荻野極、坂井、石川と5人も(7位)。

太田 川田騎手のリーディング獲得も初やな(4位)。本人も「ここ3年連続2位で、19年目でやっと」と念願やったから。勝率も賞金も首位の「3冠」で、史上4人目の騎手大賞や。

木南 こうして振り返ると、人の話題が多い年でしたね。馬でいうと、日本馬の海外重賞年間10勝は史上最多でした(9位)。サウジで4勝、ドバイでは5勝。この9勝中4勝が矢作厩舎というのがすごいです。

太田 さすがリーディング厩舎。国内外で頼りになる。その一方で、あてにならなかったのがG1の1番人気馬。平地では21年のホープフルSから今年の菊花賞まで16連敗(6位)。

木南 コロナ禍が始まった20年は平地G1で16勝だったのが、今年はたったの4勝。無観客だと能力通りに走りやすいけど、お客さんが戻ってくるとイレ込みとか波乱の要素が増えるってことなんですかね。

太田 本紙予想担当(大阪)としてはきつかった。穴党の木南はウハウハやったやろ?

木南 こういう流れだからこそ、もっと当てないといけませんでした…。

太田 学年は違うけど、俺も木南も42歳。後厄も終わるし、オジュウチョウサンを見習って、シジュウニオジサン2人も目指せレジェンドや!

木南 今年も「本当にお疲れさまでした」。