8カ月ぶりでも実力があった。22年6月の宝塚記念2着以来の出走となった5番人気ヒシイグアス(牡7、堀)が差し切った。勝ち時計は1分47秒1。21年の同レース以来、3度目の重賞勝利を収めた。

G1馬3頭を蹴散らした。強風吹き荒れる中山。松山騎手は対策を講じた。「ポジションは意識せず、馬のリズムを大切に。風が強かったので、馬群に収めることだけを意識しました」。最後の直線半ばまで前に壁を作り、進路が開いたところでスッと末脚を発揮。ゴール板を先頭で駆け抜けた。

前走後、熱中症で一時は生死をさまよった。鞍上は「大変だったと思う。それでも厩舎の方が仕上げてくださった。返し馬の時から良さを感じていました」と話した。馬主の阿部雅英氏も「勝てて良かった。目標はG1。次につなげてくれれば」と期待を込めた。春のG1戦線、進化を止めないベテラン7歳の存在が脅威となる。

◆堀宣行調教師の中山記念制覇 21年ヒシイグアス以来の通算4勝目。自身の持つ同レースの現役調教師最多勝利記録を更新した。歴代最多は尾形藤吉元調教師の9勝。

◆ヒシイグアス▽父 ハーツクライ▽母 ラリズ(バーンスタイン)▽牡7▽馬主 阿部雅英▽調教師 堀宣行(美浦)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 16戦7勝(うち海外1戦0勝)▽総収得賞金 4億5908万4000円(同8769万4000円)▽主な勝ち鞍 21年日刊スポーツ賞中山金杯(G3)、中山記念(G2)▽馬名の由来 冠名+アルゼンチンにある最大の滝