1日付で調教師に転身した福永祐一技術調教師(46)の「騎手引退式」が4日、レース後の阪神競馬場で行われた。開かれたパドックには多くのファンが詰めかけ、最後の勇姿を見守った。

式では師匠の北橋修二元調教師(87)や、ノースヒルズの前田幸治代表(74)が花束を贈呈。騎手代表では最後のサウジアラビア遠征もともにした川田将雅騎手(37)や同期の和田竜二騎手(45)、日本騎手クラブ会長の武豊騎手(53)からメッセージが送られた。記念撮影では父の福永洋一元騎手(74)、母の裕美子さんらと写真に納まった。

式の途中から何度も目に涙を見せた福永騎手は、最後に騎手人生を振り返ってあいさつを行った。

「本当に今日はたくさんの方に来ていただきまして、本当にありがとうございます。思い返すといろいろあるんですけども、福永洋一の息子として生まれてこなければ、騎手の道を選ぶこともなかったですし、豊さんの存在がなければ、また騎手の道を志すこともなかったです。母親に対しては本当に、全く競馬に興味がなかった自分が急に騎手になるということで本当に驚かせましたし、本当にずっと辛い思いをさせ続けてきたなと。27年、こんな親不孝はないなと思いながら続けてきましたけど、ケガはありましたけど最後こうやって健康な状態で引退することができて、ようやく長きにわたった親不孝を終えることができて、ホッとしていますし、申し訳ない気持ちでもいます。僕は本当に福永洋一と北橋修二先生、その2人の作品だと思っています。ジョッキーとしては、本当に北橋先生には出来が悪くて、本当に迷惑をかけてしまいましたけども、たくさんの人が支えてくれたおかげでこれだけの勝利数を積み上げてくることができました。先ほどファンの方のメッセージにもありましたけど、僕を努力の天才だと言ってくださる方もいますけど、僕が努力できたのは、本当にたくさんの方が支えてくれたので、その方々の思いに報いるためには、自分は頑張ることしかできなかったので…。本当に思うような結果、もっともっと本当は勝たないといけないぐらい応援してもらいましたけど、そういった方々の期待に応えられたかどうかは最後まで分かりませんけど、一生懸命真面目に勤め上げることしかできませんでした。騎手としてはこの3月まで、27年のキャリアを続けさせていただきました。これからは調教師として、また1から福永祐一としての、調教師としてのキャリアを積み重ねていこうと思っています。ようやく2人の元から巣立つことができたのかなと思っています。デビューした時から本当に多くのファンの方にも応援していただいて、最後もこれだけ数多くの方に来ていただいて、本当に幸せな騎手人生でした。自分には過ぎた騎手人生でした。これから、たくさん応援していただいた方々の思いに応えていくためにも、競馬ファンのみなさんに応援してもらえるような馬を、この競馬場に送り出していきたいなと思っています。東京競馬場でも言いましたけど、最高の騎手人生でした。本当にありがとうございました」

式後はパドックを1周。駆けつけたファンの声援に最後まで応えていた。