待ちわびた瞬間だ! 福永厩舎のドロップオブライト(牝5)が、念願のJRA重賞初制覇を飾った。幸英明騎手(48)に導かれ、好位の内から鮮やかに抜け出した。
今年3月に開業した福永祐一調教師(47)は、管理馬のべ77頭目、重賞8回目の挑戦でうれしい初制覇となった。次走はオーナーサイドとの協議の上で決められる。
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大歓声が地鳴りのように響き渡った。3月に厩舎を開業した福永師が、念願の重賞初制覇だ。検量室前で拍手をしながら、満面の笑みで幸騎手とドロップオブライトを迎えた。「なかなか勝てていなかったし、よかった。望外の喜びです」と目を細めた。
信念を貫き、つかんだ大きな1勝だ。4月7日のJRA初勝利から1カ月弱で5勝を挙げたが、そこから3カ月半、勝ち星がなかった。「焦りはないけど、もう3カ月も勝っていないのか…」と厩舎で漏らしたこともある。それでも馬ファーストを念頭に、開業当初からの「レースで楽に走れるように」の思いはぶれなかった。乗り込み豊富な独自の調整を積み重ね、体調と適性を考慮したレース選択を心がけた。「やってきていることは間違っていないし、変わらずやっていくだけ」。騎手時代の経験も糧に、どんな局面でも平常心を保ち続けた。
レースは完璧だった。最内枠から好位の内を確保。幸騎手は「スタートを出て、位置を取る競馬をしようと思っていました」とプラン通りに運ぶと、余力十分に迎えた直線で突き抜けた。師は「勝つ時はこういうもの。枠も良かったし、ジョッキーも完璧な位置を取ってくれた。ここを目標に満足いく仕上げもできたので」と人馬をねぎらった。
物語はまだ序章にすぎない。「まだまだこれから、大きいところを狙えると思います」と幸騎手。スプリント界の新星に名乗りを上げた5歳牝馬が、福永師とともに、さらなる大舞台へ打って出る。【藤本真育】
◆ドロップオブライト ▽父 トーセンラー▽母 プレシャスドロップ(フレンチデピュティ)▽牝5▽馬主 岡田牧雄▽調教師 福永祐一(栗東)▽生産者 岡田スタッド(北海道新ひだか町)▽戦績 20戦5勝▽総獲得賞金 1億2691万7000円▽馬名の由来 光の雫(しずく)。母名より連想。

