24年の競馬界もいろいろありました。東西取材班の現場キャップを務める松田直樹記者と太田尚樹記者が、年末恒例「中央競馬10大ニュース」を選定した。
ドウデュースの豪脚がさく裂した天皇賞・秋、ジャパンC、ベテラン横山典弘騎手の史上最年長ダービーV…。あなたの心に残った出来事は何位に入っている?
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松田 いろいろあった1年でした。
太田 やっぱり落馬で亡くなった藤岡康太騎手のことが忘れられない。トレセンでも騎手や調教師と今年を振り返るたびに、真っ先に名前が出た。記者として現実から目を背けてはいけない立場やけど、他のニュースと比較する気持ちにはなれなくて、ランキングには入れられなかった。どうかご理解いただければ…。
松田 人馬の命あっての競馬ですからね。悲しいニュースはありましたが、胸を打つ競馬も見られました。1位はやっぱりドウデュース。ここは即決です。末脚は心に刺さりました。
太田 5歳秋にしてさらに進化したよな。退厩した25日に武豊騎手が「現役続行が決まりました。次走はフェブラリーSです」って冗談で笑わせたけど、来年も現役やったら無双かも…。厩舎でも「ダートも走る」って評判やったし、BCクラシックでも見てみたかった…。
松田 天皇賞・秋の上がり3ハロン32秒5は史上最速、ジャパンCの同32秒7は同タイでした。23年の世界NO・1レースに選出されたジャパンC(3位)は度肝を抜かれたなあ。世界のファン、関係者も驚いたでしょうね。夢は産駒に託しましょうよ。
太田 5人の騎手がG1初勝利(10位)を飾った一方で、大レースではベテランのすごみを感じた。横山典騎手、ダービー3勝目(2位)やで。しかも、史上最年長の56歳3カ月って。
松田 自分がその年になったら階段を上がっただけで息切れしてそう。レース直後に横山典騎手が「ダービーを勝ったこともうれしいけど、皐月賞の自分の決断が間違っていなかった」と。その語り口に馬を思う職人の姿を見ました。
太田 ダービーは皐月賞の直前取り消しがあってこそのパフォーマンスだったと思う。“表”ではランク外だったけど、安田記念の香港馬ロマンチックウォリアー&マクドナルド騎手の勝利は鳥肌もの。
松田 頼もしい若武者の台頭もありました。今年はダート3冠元年(4位)。フォーエバーヤングがジャパンダートクラシックを勝ったことで、来年以降のダート3冠の注目度も一層増した感じがします。
太田 ケンタッキーダービー3着は矢作師いわく「疲れがとれてなくて八分ぐらいの状態」で鼻+鼻差。末恐ろしい馬やで。
松田 BCクラシック3着は絶対的に不利な最内枠からの先行。現地で見てしびれました。
太田 1着シエラレオーネ、2着フィアースネスも同い年。ダートでも世界で3本の指に入る馬がいる時代になった。有馬記念で同期のレガレイラが64年ぶりの3歳牝馬V(5位)を飾ったり、来年が楽しみになる馬が多いね。
松田 来年もBCはデルマー競馬場での開催です。
太田 今年は6年ぶりに海外G1が未勝利(8位)に終わったけど、来年も多くの馬の挑戦が見られそうやね。
松田 そうそう、8月に札幌で行われたアジア競馬会議では諸外国の関係者が講演中に日本競馬のオペレーション、ファンを称賛することが何度もありました。夏場の暑熱対策強化(9位)など、JRAの取り組みも一定の評価はしたいな、と。
太田 人馬の無事が何よりやから。その上でファンが喜ぶレースが見たいな。
松田 来年は楽しいトピックだけが10大ニュースを彩ること願っています。
太田&松田24年中央競馬10大ニュース
(1)ドウデュース秋G1連勝 府中で衝撃の末脚さく裂
(2)横山典騎手56歳3カ月V 史上最年長ダービー制覇
(3)ジャパンC「世界一」選出 オーギュストロダン参戦
(4)フォーエバーヤング3着 ダート3冠元年米遠征で
(5)レガレイラが有馬記念V 3歳牝馬64年ぶりの快挙
(6)藤田菜七子騎手現役引退 8年半の騎手生活に別れ
(7)通信機器不適切使用続々 問われた騎手の規範意識
(8)史上最多のべ100頭超遠征も 6年ぶり海外G1未勝利
(9)新潟で昼休み3時間半など 人馬の安全図り暑熱対策
(10)津村、菱田、菅原明、西村淳、岩田望 5騎手G1初勝利

