“未完の大器”の本領発揮を見たいです。

記者は4年連続の札幌出張。印象深い取材ばかりですが、特に記憶に残っているのが昨年7月21日の新馬戦(芝1800メートル)。キングスコールが20年ソダシのレコードを0秒4更新(今年の8月3日にクレパスキュラーがさらに0秒6更新)し、ノーステッキでデビュー勝ちを収めました。

のちに「【札幌便り】「G1級」「クラシック」「砂の大物」2歳馬3頭を厳選!桑原記者の“備忘録”」で、のちに重賞馬となったアルテヴェローチェ、ナチュラルライズと並んでピックアップ。今年の正月紙面での「G1先取り予想」ではダービー馬に指名するほど。無限の可能性とスケールの大きさを感じました。

衝撃デビューから約1年。現在は1勝クラスに在籍。新馬戦後に骨折が判明。8カ月の休養を余儀なくされましたが、復帰戦のスプリングSで3着と奮闘。皐月賞7着、京都新聞杯9着と惜しくもダービー参戦はかないませんでした。2カ月半の間を取って臨んだ前走札幌での自己条件戦は“まさか”の2着。5頭の少頭数ではありますが、単勝1・2倍の圧倒的人気を裏切る形となりました。

こんなはずでは-。今週末に中1週で出走予定ということで、感触を聞きに厩舎に向かいました。

「とにかくメンタルの問題ですね。能力的にはものが違うと思いますし、このクラスにいる馬じゃないと思います」

宮内助手が前走の敗因を的確に話してくれました。

「前走はハミを取っていかなくて、まじめに走れませんでした。レース後も全く息が乱れてなくて、本気で走っていませんね。フィジカル面で上積みはありますけど、とにかく気持ちの問題です」

今回はチークピーシズを着用し、集中力を高める策に出るそうです。

「調教ではハミを取って前に行く意識がみられたので、効果はあると思います。何とか決めたいですね」

出走するのは9日土曜の札幌9R。春は悔しい思いをしましたが、まだ3歳の夏。転機になるかもしれない一戦を、楽しみに待ちたいと思います。【桑原幹久】