ケンタッキーダービーに目を奪われている間に欧州でもクラシックが開幕。2日(土曜)には皐月賞にあたるG1英2000ギニー、3日(日曜)には桜花賞にあたるG1英1000ギニーが、ともにニューマーケット競馬場の芝1600メートル・直線コースで開催されました。

G1英2000ギニーは、大外枠から発走して馬群後方を追走したボウエコー(牡3、J・バウヒー、父ナイトオブサンダー)が、先行した7、8頭が、横一線になった残り600メートル地点から加速。残り400メートルで先頭に立った人気のグスタードを交わして優勝しました。2馬身3/4差の2着にグスタード、3着以下は大きく離れました。勝ちタイムの1分35秒59は、ここ10年では2020年カメコによる1分34秒72に次いで速いものです。

ボウエコーは大種牡馬ドバウィを生産し、英ダービー馬ハイライズのオーナーとして知られる故シェイク・モハメド・オバイド・アル・マクトゥーム殿下の生産・所有馬。ジョージ・バウヒー調教師が管理して今年20歳のビリー・ロックネン騎手が騎乗。バウヒー調教師と、”ビリーザキッド”の異名をとるビリー・ロックネン騎手はともに欧州クラシック初優勝となりました。

昨年8月にニューベリー競馬場、芝1600メートル戦でデビュー戦を飾ったボウエコーは2戦目のリステッド競走(アセンダントステークス、芝1600メートル戦)も連勝。重賞初挑戦となったG2ロイヤルロッジステークス(ニューマーケット、芝1600メートル)は残り400メートル先頭から後続の追撃を断ち切って3連勝。ぶっつけとなった英2000ギニーでもライバルを圧倒する走りを披露しました。

2000年以降の不敗戴冠は一昨年のノータブルスピーチに続き10頭目。現地では今世紀を代表する名馬フランケルには及ばぬものの、近年の英2000ギニー馬の中では高い評価を受けています。ボウエコーの次走は6月16日(火曜)のG1セントジェームスパレスS(アスコット、芝1600メートル)になる模様です。

この翌日に行われた英1000ギニーはウエイン・ローダン騎手を鞍上に3つに別れた集団のスタンド側後方を進んだトゥルーラヴが、残り400メートルからスパート。ライバルを尻目に馬場中央を突き抜けて優勝、2着エヴォルーショニストに1馬身3/4差をつけました。勝ちタイムは1分35秒14でした。

トゥルーラヴは我が国でもユニコーンライオンを送る名マイラーとして知られるノーネイネヴァーの産駒。4代母は凱旋門賞を制し、ガリレオ、シーザスターズなどを送って欧州を代表する名牝となったアーバンシーです。

2歳時に7戦したトゥルーラヴはG2クイーンメアリーステークス(アスコット、芝1000メートル)、G2レイルウェイステークス(カラ、芝1200メートル)、G1チェヴァリーパークステークス(ニューマーケット、芝1200メートル)に優勝。米国に渡って臨んだ10月のG1ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルターフスプリントマー競馬場、芝1000メートル)は8着となってシーズンを終えました。

陣営は短距離馬と見放していたようですが、4月12日(日曜)のG3プライオリーベルステークス(レパーズタウン、芝1440メートル)の快勝で風向きが変わり、ここに駒を進めました。

次走は5月24日(日曜)の愛1000ギニー(愛G1、カラ競馬場、芝1600メートル)。英愛の1000ギニー連覇がなれば、2017年のウインター以来となります。(ターフライター奥野庸介)

※レース結果等は2026年5月8日現在