競馬界で通訳・レースホースコーディネーターとして活躍し、日本馬初のBC競走制覇、日本馬初のBCクラシック制覇など歴史的な瞬間に立ち会ってきた安藤裕氏(46)から今週もコラムが届きました。

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こんにちは。今週のコラムでは少しいつもと趣向を変えて、最近の海外遠征事情をお伝えしたいと思います。

現在、世界では中東情勢の悪化やロシア・ウクライナの戦争などにより、世界的な原油価格の高騰や物価の上昇が起こり、目まぐるしい変化が起きていると感じます。馬の輸送でも大きく影響を受けていて、特に石油の値上がりに伴う輸送費の金額上昇は大きな影響を与えています。コロナ前と今の輸送費を比較すると、ほんの数年にもかかわらず2倍程の価格差が生じていて、本当に信じられません。また、ロシアとウクライナの戦争の影響で、領空権などの問題でヨーロッパへの航路に大きく影響を与え、輸送時間の増加が起きています。この様な事情は各国の主催者にも大きな影響を与えていて、どこの団体も非常に苦労しながら日本馬の誘致をしてくれているので、何とかファンの皆様の応援で馬券売り上げが伸びることを切実に願っています。去年のジャパンカップに参戦したカランダガンは素晴らしい例だと思いますし、このような難しい状況の中で世界の競馬ファンを熱狂させるパフォーマンスを見せてくれたことは、純粋に感謝と感激の気持ちでいっぱいです。

今後情勢が落ち着けば、また世界の国々はお互いにより身近な存在になっていくのではと予想しています。今年も、まだまだ数多くの日本馬が海外へ挑戦しに行くと思うので、その際にこういった視点からも応援していただけると有難いです。

最後に、先週のディー騎手は1勝あげることができ、本当に良かったです。そして、日本で代表的な個人馬主である「メイショウ」さんの所有馬(メイショウハチコウ)で、日本ダービーに参戦させていただけることにただただ感謝したいです。「メイショウ×外国人騎手」のコンビでの日本ダービーは初めてのことだと思うので、これほど光栄なことはありません。全力で頑張ってほしいと思います。そして、今週のヴィクトリアマイルは去年のオークス以来の騎乗となるケリフレッドアスクで参戦させて頂ける予定です。廣崎オーナーと藤原先生にこの様なチャンスをいただけたことに感謝の気持ちでいっぱいです。いい結果が出るように頑張ってもらいたいです。応援のほどよろしくお願いします。

【レースホースコーディネーター】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「安藤裕のハッピー(馬)ダイアリー」)

◆安藤裕(あんどう・ひろし)1979年(昭54)10月19日、東京都生まれ。98年に渡英し、ゴスデン厩舎で馬の基礎を学ぶ。その後は騎手として北米などで騎乗した。ケガで引退後はプロ野球の通訳を経て、11年に株式会社FELESを設立。調教情報の管理システムを取り扱うほか、外国人騎手の通訳や海外に遠征する日本馬のサポートなど幅広く活躍中。