巨人のドラフト1位西舘は、先発よりもリリーフに適性があると感じた。シート打撃を見たが、雰囲気は元中日の浅尾拓也に似ている。野手的な投げ方。ショートアームでコンパクトに腕を振る姿がダブった。もちろん、開幕まで1カ月半以上あるため、どうなるかはまだ分からない。ただ、球の強さを1イニングに出させた方が、持ち味が生きると思う。

そう考えた理由は投球フォームにある。リリースポイントが体に近い。言い換えれば、球離れが早いということ。そのため、打者がボールをより長く見られる。長いイニングを投げて球威が落ちるにつれて、捉えられる可能性が高まる。ストライクゾーンに腕を振って投げることはできていた。球種が豊富と聞いたが、真っすぐと落ちる球で短いイニングを抑えるイメージが湧いた。

シート打撃では、別のルーキーに目を奪われた。5位の又木だ。イメージは阪神の岩崎。三塁側の真横から見たが、西舘とは対照的にリリースポイントが前にある。球速は145キロほど出たそうだが、打者はもっと速く感じただろう。しかも、真っすぐも、変化球もほとんど同じ位置から、同じ角度で投げられていた。そこから真っすぐと変化球を投げ分けるため、打者の対応は難しくなる。又木も先発か中継ぎかは分からないが、チームの現状を考えれば左のリリーフが加われば戦力アップ。メンバーに入る可能性を秘めている。(日刊スポーツ評論家)

シート打撃に登板した巨人西舘(撮影・浅見桂子)
シート打撃に登板した巨人西舘(撮影・浅見桂子)
ファンにサインする巨人西舘(撮影・浅見桂子)
ファンにサインする巨人西舘(撮影・浅見桂子)