どしゃ降りの中でのゲームを見て、プレー続行に疑問を抱かざるを得なかった。20日の広島-阪神戦(マツダスタジアム)。降雨で開始が1時間9分遅れ、さらに2度の中断があった。終了時刻は21日午前0時3分だった。問題は、大雨の中でプレーボールをかけたこと。かけたら、なかなかノーゲームにはしづらい。広島先発ジョンソンは「試合を始める状況じゃなかった」と漏らした。

背景にはもちろん、阪神の日程消化の問題がある。日付が変わった試合後、審判団は阪神の日程を考慮したかと問われ「常識の範囲で判断しないといけない。いくら阪神さんの日程が詰まっていても常識の範囲でなければ、できない」と答えた。ただ関係者によると、試合前に審判団から広島ベンチに向け「日程の関係で試合を成立させます」と前置きがあったそうだ。

広く言われているように、ダブルヘッダーにするのが対策の1つ。ただ甲子園で行う場合に1、2戦目の観衆を入れ替えるのは安全面からあまり現実的ではないという。ならばこのシーズン終盤に至るまで、日程消化が進まなかったことに視点を向けてはどうか。

例えば、まだ日程に余裕があるシーズン序盤や中盤に、月曜の予備日を多めに設定するのはどうだろう。パ・リーグでは現在も設定されているが、古参の球界関係者に聞けば、セ・リーグでも以前はよくあったそうだ。チケット販売、観客動員、チームの移動などといったハードルは新たに生じるが、一考の余地はあるはずだ。週末3連戦直後の月曜日開催でなくても、例えば2~3週後の月曜日に開催する手もある。もちろん、チームの移動が円滑に進めばの話だが。

2年後には東京五輪(オリンピック)がある。先日のオーナー会議では、7月22日から8月13日までの23日間の中断が了承された。開幕を早め、CS初戦を例年より遅らせて対応するという。ただそこに今年のような台風や連日の降雨があれば…。日程上の問題が繰り返されるような気がしている。【広島担当 大池和幸】

雨のため1時間の開始遅延が決まり、グラウンドにシートを敷く係員たち(2018年9月20日撮影)
雨のため1時間の開始遅延が決まり、グラウンドにシートを敷く係員たち(2018年9月20日撮影)