<楽天1-3ソフトバンク>◇6日◇楽天生命パーク

ソフトバンクのオーダー発表を見て目が点になった。

1番松田宣、2番バレンティン…。敵地・仙台で楽天に2連敗。それも5日の試合は涌井の前に打線が沈黙。もう少しでノーヒットノーランの1安打完封負けを喫した。松田宣はスタメンから外れ、バレンティンも4日の試合で8号弾を放っていたとはいえ、打率1割台では「超攻撃的」とは言えまい。楽天先発の左腕松井攻略の1手として立ち上がりの猛打を期待したのだろうか。ホークス首脳陣の「奇策」は、将棋界のプリンス藤井聖棋でも、その「心」は読み切れなかった? のではなかろうか。

試合前。平石打撃兼野手総合コーチは言った。「打撃は本調子じゃないけど、面白いかなと。監督とも(松田宣、バレンティンの1、2番を)話した。思い切ってやってみようと」。期待を込めて送り出したはずの新1、2番は機能しなかったと言っていい。初回先頭松田宣は2球で右飛。2番バレンティンは空振り三振。6球で2人は打ち取られてしまった。長打力満点の先制攻撃は結実しなかったが、思わぬ展開? でチームは勝利をもぎ取った。3回1死一塁から松田宣のボテボテの二塁内野安打で一、二塁とし2死後に3番柳田が同点打。4回、明石の勝ち越し打を生んだのも1死一塁から今宮のボテボテの遊ゴロ内野安打で好機拡大したのが大きかった。さらに甲斐のセーフティースクイズ…。終わってみれば「豪打」ではなく「小技」で連敗を阻止した。試合後、工藤監督は「(2人への)気分展開の意味合いが大きい」と説明した。苦肉の策ではなく、首位並走されても余裕とも取れる采配だった。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

楽天対ソフトバンク 試合に勝利しエアタッチを交わすソフトバンクナイン(撮影・滝沢徹郎)
楽天対ソフトバンク 試合に勝利しエアタッチを交わすソフトバンクナイン(撮影・滝沢徹郎)