第102回全国高校野球選手権大会(甲子園)中止にともなう代替大会が、秋田県でも開幕した。昨夏代表の秋田中央は13安打12得点を奪って男鹿工を圧倒し、夏“連覇”へ好発進した。

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秋田中央は昨夏の甲子園メンバー「3番二塁」新堀文斗内野手(3年)が、1回の先制右前適時打を含む2安打3打点と躍動した。「個人的に最初の打席でバント失敗はあったけれど、その後にバスターで先制点を取れたので良かった」。4回の最後の打席でも右越え2点適時二塁打を放ち、5回コールドを導いた。

昨夏の甲子園1回戦では「1番遊撃」で先発出場。だが、立命館宇治(京都)の好投手に4打席4三振し、0-1で敗退の責任を痛感した。リベンジを誓って再発進したが、秋季大会前に右足首靱帯(じんたい)を損傷。甲子園組7人中、右手中指骨折の船木周外野手、左目にボールが直撃した加賀谷三亜土内野手(ともに3年)の3人が負傷によるベンチ外となり初戦敗退した。コロナ禍により春も夏も中止となり、新チームでの公式戦出場さえ消えた喪失感も乗り越えた。船木も1安打2打点、加賀谷も代打で四球を選んで大量点につなげた。

スタンドでは保護者のみ入場が許可されているが、同校吹奏楽部からは全20人の応援曲がツイッターにアップされ、背中を押してもらっている。映像の「カッセ、カッセ、あやと~」の声に力をもらった新堀は「甲子園の悔しさは甲子園でしか晴らせないけれど、支えてくれる方のためにも秋田で一番を取る目標に切り替わっています」。秋田で一番長い夏にするため、1戦1戦気持ちをぶつける。【鎌田直秀】