春夏通算6度の甲子園出場経験がある北大津が、接戦を制し初戦を突破した。

2年生エースが立役者になった。両軍とも7回終了まで2安打無得点の投手戦。8回2死一、二塁から、エースで4番の上坂真人投手(2年)が「1試合でも長く3年生と野球がしたいので絶対に打とうと思った」と左前2点適時打で決着をつけた。投げては、2種類のスライダーなど変化球を駆使。相手打線を散発3安打に抑え「高校初」という完封勝利も挙げた。

すべては2人だけの3年生のため。当初から主将の中村修太内野手と三觜(みつはし)一希内野手で、上坂は「いつも声をかけてくれる。頼れる存在」と言えば、中村主将は「自分たち3年生のために守っている気持ちが伝わってきた。感謝したい」と後輩たちの背中を頼もしく感じている。

甲子園には12年夏を最後に8年遠ざかる。今年の夏もつながらない。中村主将は「甲子園はないけど、1試合でも多く試合をして最終的に優勝したい」と決意表明。実力校の意地も胸に、滋賀県で1日でも長い夏を見る。【望月千草】