甲子園デビューで、ローテーション争いに決定打を放つ。阪神ドラフト2位石崎剛投手(24=新日鉄住金鹿島)が今日10日広島戦に2番手で登板し、甲子園のマウンドに初めて立つ。激しい開幕ローテーション5、6番手争いにここまで生き残ったルーキー右腕が、本拠地で同一リーグの強力ライバルを相手に好投し、その座をたぐり寄せる。
雨が降り、3月にもかかわらず肌寒い鳴尾浜で準備を整えた。同じく開幕ローテーション候補に挙がる2年目左腕岩貞とのキャッチボールを終え、室内練習場から出てきた石崎は、待ち望んだ甲子園での登板へ声を弾ませた。
「高校時代に甲子園へ行きたいと思ってきたけど、かなうこともなかった。明日(10日)立てるというのは、うれしいと思います。高校のときの思いをぶつけるとは言いませんが、ワクワクした思いで投げたいです」
その目はまさに野球少年そのものだった。茨城・三和時代は最高でも県大会3回戦止まり。2年秋から3年夏にかけては部員9人と、決して恵まれた環境ではなかった。最後の夏も1回戦で敗退。目標とした甲子園への道は遠かった。
これまで観戦でも1度も訪れたことはない、はるかなる聖地。キャンプから1軍で安定した投球を重ね、ようやく甲子園のマウンドに立つときがきた。8日巨人戦で好投した5年目右腕岩本らとの争いの渦中でも、その喜びを隠しきれなかった。
前回登板の3日、香川の四国Cスタ丸亀で日本一軍団ソフトバンクを5回無失点と封じ、1軍首脳陣をうならせた。今日の広島打線も、レギュラークラスの出場が予想される。すでに映像で研究済みで「大振りはしてこない。つなげてつなげてという印象。大胆に行くことも大切ですけど、しっかり狙ったところに投げきりたい」と冷静に分析した。さらにアピールして、絶好のチャンスをたぐり寄せる。
「状態は悪くない。でも気を抜けない。チャンスをいっぱいもらっているので、結果を求めたい。自分を前面に出して、僕をアピールしていきたい」
勢いに乗るルーキー右腕が、本拠地・甲子園の虎党へあいさつ代わりのピッチングを披露。その先に、開幕ローテーションの椅子は待っている。【宮崎えり子】
◆阪神の開幕ローテーション争い メッセンジャー、岩田、藤浪、能見の4人が確定し、登板順も内定している。残り2人は「右腕」+「左腕」の組み合わせを理想としており、右腕は岩本と石崎、左腕は岩崎と岩貞が争う構図だった。そんな中、岩本が8日巨人戦で6回無失点と好投し、ローテーション入りを当確させた。首脳陣は14日からの関東遠征までにはローテーションを固める意向。オープン戦2度の先発で適性を示している石崎は、今日の登板で岩本との「右腕枠」で逆転するか、左腕2人との比較に持ち込めるかが争点となる。




