松坂大輔投手(34)の剛球には敵も、味方も驚いた。日本ハムと西武で戦った2人が当時を振り返ってくれた。

 9番二塁でスタメン出場した日本ハム金子誠2軍特命コーチ(39)は、1打席目が四球、2打席目が三振で、8回の3打席目に代打を送られた。

 「衝撃的だったのは、片岡さんが三振したあのシーン。片岡さんが、ああいう三振をするんだって思ったよね。そこにもプロのすごさを感じたよね。当時は伊良部さんがいたり、野茂さんがいたりしたけれど、松坂はキレイなフォーシームではなくドーンってくるイメージの真っすぐだった。オレも打てなかったから。あと、覚えていることは、マウンドさばき。高校の時もそうだけれど、松坂って野手のセンスもあるでしょ。フィールディングのうまさとか、そこからくる視野の広さとか。高卒1年目で、あのマウンドさばきというのが、驚いた1つではあったよね」。

 西武の1番遊撃でスタメン出場し5打数3安打だった楽天松井稼頭央外野手(39)の話。

 「155キロね、覚えてるよ。高校生であんなごっついボールを放るなんて、えげつないな! と思ったよ。あれで確かに球場の雰囲気も変わったし、俺らもびっくりしたもん。エンジンのかかり方が違うなと思った。打席には立っていないけど、オープン戦からずっと後ろから見ていたけど、とにかくすごいと感じた。怪物だったよ。フランクリンの球は覚えてないな。とにかくあの1球が強烈すぎてね」。【矢後洋一】