巨人が仕事人の一振りで、今季初のサヨナラ勝ちを決めた。井端弘和内野手(40)が9回1死一、三塁で代打で登場。厳しい球を高い技術でファウルにし、最後は中前適時打を放った。原辰徳監督(56)が「切り札」と称賛したプロ18年目のベテランが、土壇場で存在感を示した。DeNAが敗れたため勝率で並び、5月4日以来の首位に浮上した。
胸高鳴る場面でも、井端は冷静だった。9回1死一、三塁。「代打・井端」のコールに、スタンドが沸き返った。初球からフォークをイメージする中、3球連続の内角直球で1-2。「追い込まれた時は9対1」でフォークを狙い球に置きながら、4球目の内角直球をギリギリでカット。5球目、低めのフォークを中前にはじき返した。
指揮官のゲキに応える、移籍後初のサヨナラ打だった。開幕から攻守で存在感は際立ったが、成績が徐々に下降。交流戦初戦の西武戦前、原監督に「ぜんまいが緩んできたから、巻いとけよ」と言われた。期待を込めた叱咤(しった)激励だったが、真摯(しんし)に受けとめ、自らを鼓舞。「巻いとかないと」と課題を見つめ、状態を整えた。
5月12日に40歳を迎えた。18年目、常勝軍団の先頭で戦えるのは、経験で培った独自の思考があるからだった。「(若い時よりは)疲れは感じるけど、追い求めても、しょうがないから。現状を受けとめ、考える。いい時のイメージを捨ててから、良くなった」。この日の練習では特打を行った。自分で感じたズレを修正し、結果に直結させた。
チームは5月4日以来、首位DeNAに並んだ。原監督は「よく打ってくれた。(井端は)切り札。ゲーム展開の中でいい場面で使えた」とたたえた。水やスポーツ飲料をかけられ、ビショビショのユニホームに「くさいです」と笑った井端は「勝つためにいかに仕事をするか。チームが勝てばいいので」と勝負師の顔に戻って、ロッカールームに入った。【久保賢吾】
▼井端が代打でサヨナラ中前打。井端のサヨナラ打は中日時代の12年6月11日、日本ハム戦以来3年ぶり5度目。代打、巨人移籍後は初めて。井端は40歳0カ月。40代選手のサヨナラ安打は、巨人では57年10月17日広島戦の南村侑広(40歳6カ月)80年8月14日中日戦の王貞治(40歳2カ月)に次いで35年ぶり3人目。



