苦しいときに頼りになるのはやっぱりベテランだ。日本ハム田中賢介内野手(34)が1点リードの5回1死一、二塁、右翼線を破る適時二塁打で、貴重な追加点をたたき出した。1回にも二塁打を放ち、4打数2安打1打点でチームをけん引。敗れれば3連敗で2カード連続負け越しのピンチを、4度のリーグ制覇を知る男が救った。
最後も存在感満点の“一撃”だった。本拠地のお立ち台でも流れに乗った。ファンへのメッセージを求められ、メンドーサの「アイ アム イケメンドーサ!」の決めゼリフに続き、田中が叫んだ。「アイ アム ケンスケ!」。特に深い意味はない自己紹介? に球場がドッと沸いた。
試合での一撃は、1点リードで迎えた5回だった。攻撃前の円陣。柏原打撃コーチから「甘い球をしっかり捉えよう」と、ゲキが飛んだ。その言葉を胸に田中が食らいついた。1死一、二塁から一塁線を破る適時二塁打。チームは初回の併殺などツキもなく、ロッテ唐川を打ちあぐねた中、貴重な追加点。「狙ったわけじゃないけど体が反応した」。初回の二塁打に続きカーブをとらえ、攻撃の流れを加速させた。
栗山監督は「今日のゲームは本当に大きな意味を持っていた。ああいう選手しか(試合を)決められない」と最大級の賛辞だった。田中は守備でも2つの併殺に絡むなど、メンドーサら投手陣をもり立てた。8月白星スタート、後半戦の札幌ドーム初勝利に、3年ぶり復帰のベテランの存在は欠かせなかった。
後半戦11試合で6度目の複数安打を記録した。時期こそ違うが、5月下旬の最大8ゲーム差をひっくり返しリーグ制覇した07年を知る。「今日負けていたらズルズルいくところだった。チャンスは絶対にある。そこまで(ソフトバンクに)離されないようについて行ければ」。逆転Vの旗印が「アイ アム ケンスケ」だ。



