ソフトバンクの強さが西武の自滅を誘った。工藤公康監督(52)は「強えぇ…。強過ぎだよね。ミラクルまで呼んじゃって。相手にミスが出るということは、いかに相手にプレッシャーをかけているかということ」。7回、同点としてなお2死二塁。松田が敬遠され、続く中村晃は中堅右への飛球に打ち取られた。だが、これを秋山がグラブに当てながら落球。敵失で勝ち越し点をもらい対西武6連勝。チームは3連勝でマジックを29に減らした。
31度目の逆転勝ちを呼んだのは、左翼で2度目の先発だった川島慶三内野手(31)のプレーだった。1点リードの6回、1死満塁。秋山の打球が左翼線へフラフラと上がった。猛ダッシュで追った川島の手前で落ちたが、飛びついてショートバウンドで捕球。二塁走者を刺そうと三塁へ素早く送球した。惜しくも左翼ゴロにはならなかったが、後逸していればさらに1人、2人と生還してしまう中での美技だった。
川島 目いっぱいのプレー。次(もう1度)やれと言われても無理ですね。前に止めれば内野手がなんとかしてくれると思った。
ノーバウンドで捕球しようとグラブを下から出すのではなく、バウンドした打球にグラブをかぶせるように上から出した。すぐ横にある客席に入ればエンタイトル二塁打にもなる。的確な判断で最善を尽くした。
工藤監督は「何が何でもという姿勢があった。内野の対処の仕方が外野でも生きた」と褒めた。本来は内野手だが、キャンプから外野も練習。最近も外野で打球を追うなどして感覚を磨いていた。こういうユーティリティープレーヤーが力を発揮するのも、首位独走チームの底力だ。【石橋隆雄】



