ここに来て今季最多の17安打13得点とは…。ソフトバンクがビッグイニングを3回決めて、日本ハムを圧倒。4連勝で今季80勝目を挙げ、優勝マジックを8と1桁台にした。左腕吉川に対しあえて1番に左打ちの中村晃外野手(25)を起用した工藤公康監督(52)の思惑がはまり、2回に5点を先制。4回に4点を追加すると6回には李大浩内野手(33)が29号満塁本塁打を放った。
もはや優勝を疑う者は誰もいない。スコアボードの数字が、圧倒的な力の差を示していた。今季最多の17安打13得点に、先発全員安打。シーズン終盤の日本ハム戦で、最高の結果を生み出した。工藤監督はナインの働きに大きくうなずいた。
「選手がよくやってくれた。疲れや苦しいこともあるが、1試合ごとに声を出してやってくれた。チームの力だと思う」
優勝マジックはついに1桁の「8」にまで減った。
主軸と脇を固める選手の連動は美しい。2回は5番李大浩の左前打を足がかりに、8番今宮の2点適時打で先制。中村晃と川島の1、2番コンビの連続適時打で一挙5得点。旭川での前夜に続き、序盤の速攻で流れをつかむ。9点リードの6回、李大浩がトドメの29号満塁アーチを放った。
「軽く、力の抜けたスイングをイメージして、打席に立った。それがいい結果につながると感じた一打だった」
松田、柳田に続く「30発トリオ」の完成に、王手をかけた。不振に陥っても、誰かがカバーする。その間に、原点回帰で復調の兆しをつかむ。李大浩もそうだった。8月16日の西武戦以来となる3安打猛打賞。1番から9番まで穴が見当たらない。
ベンチも現状維持を良しとしなかった。カード初戦を快勝したが、この日は次の一手を打った。左腕吉川に対し、左打者の中村晃を8月2日の西武戦以来となる1番で起用した。工藤監督の考えがにじんだ。
「ボールの見極めができる選手。吉川君がいい状態でない時に、四球も想定した。結果は外れたけどね」
固定観念にとらわれず、常に相手のいやがることを念頭に置き、作戦を立ててきた。初回の攻撃は不発に終わったが、攻めの姿勢が動きを作る。相手に恐怖心を植えつける連夜の勝利だ。そして積み重ねた白星は、両リーグ最速となる80勝を数えた。残り21試合を勝率5割で終えても、90勝に到達する。札幌の夜に、身震いするほどの力を見せつけた。【田口真一郎】
▼ソフトバンクが今季80勝目。121試合目で80勝到達は03年阪神(121試合)以来となり、パ・リーグでは65年南海114試合、55年南海117試合、50年毎日118試合、59年南海120試合に次いで5位のスピードだ。新人監督で80勝以上は02年伊原監督(西武)と原監督(巨人)以来6人目で、新人監督の最多勝利は02年伊原監督の90勝。工藤監督は残り22試合であと何勝できるか。



