気迫の投球で、阪神打線を封じ込めた。巨人菅野智之投手(25)が直球を軸に7回3安打無失点で10勝目。球団では堀内以来となる、入団1年目からの3年連続2桁勝利を達成した。好投しても勝てなかった1カ月間を乗り越え、チームを2位に浮上させた。次回は中4日で、27日のヤクルト戦(東京ドーム)の予定。残り8試合で2度先発する見込みで、フル回転で逆転4連覇へと導く。

 思い切り、声を張り上げた。10勝目を決めて上がったお立ち台。菅野は今季最多、実数発表後で歴代2位となる4万6795人の観衆の前で「最高の気分です!」と笑った。「今年は10勝まで長かった。(1、2年目とは)重さが全然違うと思う」とかみしめた。

 9勝目から1カ月間、勝てなかった。前回登板の15日広島戦は坂本の失策による1失点で敗戦。7回2安打1失点の好投をたたえられたが、自身は2回1死、新井に与えた四球が失点した要因のすべてと受け止めた。「四球がいけなかった。僕の責任なんです」。

 信念がある。「課題を見つけていかないと進歩はないと、僕は思うんです」。最高の投球でも、自分で100点はつけない。余白を見いだし、克服し、成長につなげる。そうやって、ここまで来た。18日には午前中にジャイアンツ球場で走り込み、ナイターのヤクルト戦(神宮)へ。「しっかり走らないと。時間は限られていますから」と、気持ちを切らさなかった。

 だからこそ、大一番にもいつも通りに臨めた。21日、登板前日恒例の“勝負メシ”五目チャーハンを食した。2位阪神との2連戦初戦を託された意味は分かっていた。米粒をほおばりながら「この年になっても、何をやってきても、緊張はする。緊張を受け止めて投げることが大事」と言った。負けは許されない重圧と向き合い、力に変えた。

 威力ある直球で攻めた。2回1死満塁では「変なカウントにすればスクイズもある」と大和を直球で追い込み、狙い通り三振。苦手の福留を走者なしの状況で迎えるとの課題もクリアした。「気合を入れて投げた。みんなで勝ち取った勝利」という菅野に、原監督も「(気合の)いい出し方をしている」と目を細めた。

 今後は中4日、中6日と、いずれも東京ドームでのヤクルト戦に登板予定。命運を分ける2番勝負に向け、試合終了直後に「少しぐらぐらしていたので」と、斎藤投手コーチとプレート付近に埋め込まれている板を確認した。「残り全部勝って優勝できるよう頑張ります」。まだ満足はしない。逆転4連覇へ、すぐに先を見据えた。【浜本卓也】

 ▼菅野が10勝目を挙げ、プロ1年目から3年連続2桁勝利。自身2連敗で登板した試合は6戦6勝となり、まだ3連敗がない。プロ入り3年連続2桁勝利は今年の藤浪(阪神)以来になるが、巨人では66年から13年連続で記録した堀内以来6人目だ。今年は打線の援護に恵まれずに10敗しているものの、防御率1・86はリーグ2位。プロ入り3年続けて「2桁勝利+防御率10傑入り」は02~04年石川(ヤクルト)が最後で、セ・リーグは過去6人だけ。堀内は3年目の防御率が15位で、菅野がこのまま10傑入りならば巨人では藤田、城之内に次いで3人目となる。