ソフトバンク佐藤義則1軍投手コーチ(61)が宮崎キャンプの15日、指導対象の枠を超えた。飯田外野守備走塁コーチの依頼を受け、外野手の上林に送球を教えた。当然、ノックバットを使って松坂の投球フォームにもメスを入れた。ベテラン指導者は豊富な経験を生かし、チーム全体のレベルアップに手を尽くす。
若手選手たちが打撃練習や体幹トレーニングを行う昼下がりの室内練習場に、見慣れない3人組が現れた。上林、飯田コーチ、そして投手を教えるはずの佐藤コーチだった。
投手育成に定評のある名伯楽は、外野手である上林に送球時の肘や膝の使い方を伝授した。2人のコーチに見守られながら、上林は外野から本塁や内野への送球を繰り返した。「飯田コーチに頼まれたんだよ。ホームに投げる時に引っかけていたから、腕の使い方を教えてほしいと言われた。でも、うまく腕を振れていた。振れ幅が大きくなったと思うよ」。
投手コーチの野手指導は異例のこと。前日14日、「送球がそれてしまうことが多い。きっちり中継まで投げないと、ひとつのミスが一大事になる」と上林のスローイングを課題に挙げていた飯田コーチが依頼し、越境指導が実現した。佐藤コーチは「投げることに関しては本職だからな」と話し、上林も「投手コーチに教えてもらったのは初めてだけど、新しい発見だった。これからは肘の使い方を意識していきたい」とうなずいた。
松坂に対しても、年齢に応じた投球フォームを指導した。投球時に左足の膝の裏をノックバットで抑え、ボールを長く持つための間をつくらせた。松坂は「きついけど、佐藤さんに言われた投げ方のほうがスムーズにいく」とのみ込んだ様子で、佐藤コーチは「うれしいね。俺に言わせたらまだまだだけど、スムーズに下半身が回転できている」と目を細めた。
上林は今日16日の紅白戦に出場し、松坂もB組で打撃投手を務める予定。名伯楽の助言は、今後の実戦でも生かされる。【福岡吉央】



