決断の厳しさは分かっている。楽天片山博視投手(28)が3月31日に外野手から投手への再転向を発表した。5日の仙台市内の楽天泉練習場、05年高校生ドラフト1位左腕は春の日差しの下で汗を流していた。ブルペンでの投げ込みに「野手をやったからテークバックが小さくなって、前へスッと腕が出せるようになった。体重がもっと右足に乗ったらいい」と話した。
驚きの発表だった。左肘の故障もあり、15年2月に野手へ転向。今年2月の紅白戦では推定150メートル弾も放っていた。今季から育成契約となっていたが「今年も野手で勝負するつもりでした。1年のブランクがあるのに、いきなり1軍で抑えられるほど甘い世界じゃない。でも、1軍に上がれる可能性があるならばと決めた」と理由を話す。チーム事情もある。1軍では中継ぎ左腕が不足。10年から2年連続50試合登板した片山が戻れば大きな戦力となる。
待っているのは厳しい道のりだ。現在の支配下登録の投手は33人。7月31日までに70人の支配下登録枠に入らなければ、今季中の1軍昇格は不可能となる。「左肘の状態も良い。1軍に上がる可能性にかけて、必死にやります」。若手との競争に勝ち抜かなければ、未来はない。背番号「001」と同じ、新たなスタートを切った。【島根純】



