ずるずる黒星を重ねていくつもりなのか。首位広島にいいように打ちのめされ、阪神はワースト更新の借金11で14・5ゲーム差最下位。3回に新井に逆転3ランを浴びると、7回には丸、鈴木にも被弾で大量7失点した。これで広島には6連敗と、やり返すどころか首位快走を完全アシスト。金本知憲監督(48)はそれでも反撃態勢を取れとナインに求めるしかなかった。

 情けなさだけが、本拠地甲子園に充満していく。首位広島の勢いにのみ込まれるように、阪神がまた屈した。1点を先制した直後の3回。2死一、三塁で、先発能見が耐えきれなかった。2ボールからの3球目。内角低めチェンジアップを広島新井にすくわれる。逆転を許す3ランを被弾。大飛球が左翼ポールを巻く瞬間、虎党のため息と悲鳴はコイ党の大歓声にかき消された。首位独走のカープにこれで6連敗。14・5ゲーム差まで離された現実がただただ、つらい。

 金本監督 まず、そういう(やり返す)気持ちを持っているか。それが大事でしょう。伝わる選手もいるし、伝わってこない選手も正直いるし。

 指揮官は試合後、悔しさを必死で押し殺すように淡々と言葉を並べた。交流戦を終えた6月下旬にマツダスタジアムで3連敗。リベンジするはずの今カード、甲子園で完敗続きの2連敗だ。前日8日の初戦では藤浪がまたも初回に失点。3点目は重盗でまんまと奪われた。藤浪には8回161球の続投を命じたが、その間に守備が乱れ、いいようにかき回され、ワースト8失点。2戦目のこの日、ナインがやり返せばまだ納得もいくが、さらに踏みにじられるような1敗が情けなさを膨らませた。

 能見が被弾する直前、2回の攻撃は1点先制の後、なおも無死満塁から追加点を奪えなかった。いやなムードが漂うと、直後のワンチャンスに、一振りで、ひっくり返された。

 金本監督 チェンジアップをうまく拾われたから。不用意とは思わなかったけどね。能見が勝負に負けたということ。

 指揮官の言葉通り、逆転3ランを許したボールは決して失投とは言えなかった。これで能見と新井の対戦成績は今季11打数5安打5打点。昨季まで広島戦50試合で23勝10敗のカープキラー、能見をもってしても相手の勢いを止められない。能見自身も6月25日のマツダスタジアムに続き広島戦2連敗。「そこ(無失点)を目指していかないといけないから」と敗戦の責任を1人背負い込んだ。

 7回には2番手榎田が2発を食らい、大勢は決した。金本監督が「まず、そういう気持ち」という意地を、あらん限りの意地を発揮して、今日10日の3戦目に臨むしかない。【佐井陽介】

 ▼阪神が3本塁打を浴び、広島戦に6連敗。このカードでは12年7月3日(松山)~8月11日(京セラドーム大阪)での7連敗以来、4年ぶり。今回の6連敗では計8被本塁打。それ以前の8試合では6被本塁打だった。

 ▼阪神の首位広島とのゲーム差は14・5。プロ野球最大の逆転優勝、63年西鉄と並んだ。阪神が今季Vなら、これとともに史上最大逆転となる。