日本ハム大谷翔平投手(22)が、両リーグのスラッガーを撃破し、球宴本塁打キングに輝いた。「マツダオールスター2016」第1戦(ヤフオクドーム)で、ホームランダービーに初出場。ヤクルト山田との準決勝で6-5、決勝ではソフトバンク柳田に3ー2で勝ち優勝した。右手中指のマメがつぶれた影響で、ファン投票選出の投手では出場を回避。8回代打出場で三直に終わったが、打者で存在感を見せた。全セが5-4で全パに競り勝った。
高く、速く。次元を超えた白球が舞い上がる。大谷が、極上の「サヨナラ弾」で、どよめきと大歓声を誘った。ソフトバンク柳田とのホームランダービー決勝。後攻で、8スイング目まで2-2。あと1球を打ち損じれば、ルール上で敗退が決まる。崖っぷちから軽々とバットを振り抜き、バックスクリーン左へ突き刺した。投手で初出場初優勝に「特にプレッシャーとかは、なかったです」と、あどけない笑みがはじけた。
最高の前哨戦を演出した。本塁打以外はアウトとカウントする7アウト制。準決勝は両リーグ最多29本塁打のヤクルト山田と顔を合わせた。先攻で6-5で逃げ切りに成功し、柳田も撃破した。通常のフリー打撃は逆方向を中心に打ち返すが、この日の計9本塁打は、左翼席は0本。球宴仕様のスイングで、完全無欠のショーを披露した。本番では8回に代打で巨人マシソンと力勝負。157キロ剛球で三直に倒れはしたが「楽しめた」と、最高の前座で十分に魅了した。
償いの思いを、放物線に乗せた。投手でファン投票選出も、右手中指のマメがつぶれている影響で2戦とも登板不能。本塁打競争も、ファンの支持で選ばれた。大阪からの移動休日の前日14日は単身、福岡市内のジムで肉体強化。人知れず、最善の準備を整えた。この日4番手のチームメートのマーティンはアクシデントで1回で降板も、本来は2イニング予定。今日の第2戦に登板する有原も最長3回の見込み。ともに大谷のしわ寄せで、通常より1イニング多く投げることになった。「賞金で返してと言われていた」。食事などをごちそうするために意地で50万円をゲットした。
球界を代表するスラッガーを撃破。開幕直後にバットをモデルチェンジ。20グラムほど減の約900グラムに軽量化し、グリップエンドを薄くし、その分ヘッドに重みを加えた。高い操作性を求められるが、ヘッドを走らせて、さらに遠くへ。西武森にねだられて1本プレゼントしたが「僕のバットは扱えないです」と、周囲に豪語したという。本塁打競争前に柳田と山田も手に取り、驚きの表情を見せた逸品が高い技術の証し。胸に秘めた自信の高い技術と、パワーをマッチさせて主役になった。進化が著しい「二刀流」のすごみを見せつけた。夏祭りを彩る、ロマンいっぱいの花火を打ち上げた。【高山通史】



