またか…。阪神藤浪晋太郎投手(22)が広島に返り討ちにあった。今季5試合目の対戦で初勝利を目指したが、2点リードの3回から3イニング連続失点。3盗塁を許し、安打でホームにかえす悪循環だった。自己ワーストの9敗目。まだ5勝にとどまり、4年連続の2桁勝利がピンチとなった。若きエースが屈し、チームも5位に転落した。
何度も、何度も藤浪は首をかしげた。キレのあるカットボールを投げ込んだ。156キロの直球で勝負した。でも勝てない。沸き立つ赤い鯉党と、マウンドで肩を落とす右腕のコントラスト。今季、この光景を何度見たことだろうか。
藤浪 今日は調子自体は悪くなかったのですが、粘れませんでした。
初回2死満塁。天谷の三塁線への小飛球がわずか数センチでファウルとなった。その裏、幸先よく先制点ももらった。運は味方につけていたはずだった。だが、逆転を許した。6回8安打4失点。ベンチでは現実から目を背けるようにタオルで顔を覆った。
勝てない1つの要因となっているのは、塁上を躍動する赤ヘル軍団か。阪神戦でなじみとなったこの光景。チームとして今季、広島に許した盗塁数は28にものぼる。見過ごせないのは、そのうち11盗塁を藤浪が献上していることだ。この日も3回、5回には盗塁を許し好機を拡大され、失点を重ねた。
藤浪 ノーアウトで走者を出すと苦しくなる。(盗塁対策は)もちろん投球以外のところもそうですし、投球の内容もそうです。
右腕のフォームに何か決定的な弱点があるのか。金村投手コーチも「クイックは悪くないんだけど…。リードをもらっても、走者が出ることで追い込まれる感がある。悔しいんだけどね」と思い悩む。
これで今季広島戦は5試合登板で4敗。苦杯をなめ続ける右腕に、指揮官もため息をつくしかなかった。
金本監督 走られているのもあるだろうし、真っすぐで空振りが取れないわね。彼らしい真っすぐが今年は見えてない。
今シーズン、いよいよ残り30試合となった。今後、藤浪が登板できるのは、現実的に考えても5、6試合。1年目からの4年連続2桁勝利の偉業も厳しくなってきた。チームとしても逆襲を期した首位広島との2連戦で痛恨の連敗。今季の広島戦は6勝17敗となり、カード借金は11。順位も5位に後退した。「やられっぱなしなんで。1回くらいはいい投球をして抑えたいし、何とかしたいと思ってます」。唇をかんだ藤浪の復活を、今は待つほかにない。【梶本長之】
▼阪神は今季の広島戦で、対戦別ワーストの28盗塁を献上。このうち藤浪の登板時に、11盗塁を献上している。藤浪は今季、既にプロ入り後最悪の21許盗塁を記録。6・4イニングに1盗塁されているペースで、昨年までの13・1イニングに1許盗塁(499イニング2/3で38盗塁)から大幅に悪化している(重盗は許盗塁1として計算)。



