阪神福留が一時勝ち越しとなる9号ソロを放った。1-1の7回先頭。DeNA山口の内角高め146キロ直球に反応。腕を極限まで折りたたみスイングすると、打球は右翼ポール際に弾丸ライナーで飛び込んだ。一塁手前、本塁打を確信すると、クールな男が珍しく拳を握った。

 「塁に出ようと思って打席に入った。バッターでなんとかしたいと思っていた。結果としては一番いいものが出せて良かった」

 8月12日中日戦以来、出場16試合ぶりの一撃に、試合中に広報を通じてこう喜びを表現した。負ければ自力CSが消滅する試合。2度の守備妨害に金本監督が猛抗議するなど、チーム全体で負けられない意志を見せたなかで、4番が放った意地の一打だった。

 だが、チームはこの1発で勢いに乗って勝利するかと思いきや、まさかの逆転負け。自身も1点を追う9回1死一塁では、併殺打に倒れてしまった。悔しさを押し殺すように、試合後は表情険しく、無言でクラブハウスへと姿を消した。【梶本長之】