衝撃の2発が、ラストスパートの号砲となった。日本ハム大谷翔平投手(22)が、今季2度目の1試合2本塁打で快勝へと導いた。首位再奪取から一夜明けた10日楽天戦に「3番・DH」で先発出場。3回に21号2ランで主導権を奪い、1点リードの6回には高難度の技術でバックスクリーンへ22号2ランを放ち、試合を決めた。西武に敗れたソフトバンクとのゲーム差を、1・5に広げた。今日11日にも、マジック13が点灯する。
大谷が、現実味いっぱいの逆転Vへとアクセルを踏んだ。首位を奪還して迎えた一戦。1点リードで迎えた6回だった。2死一塁。マウンドはベテラン左腕金刃。0-1からの2球目、膝元を小さくえぐるような139キロシュートに応戦した。長い両腕を畳みながら、強引に振り抜く。高く舞った白球は、バックスクリーンまで到達した。
オンリーワンの力と技を、詰め込んだ。前夜も金刃と対戦し、7回に右前適時打。同じような内角シュートだった。「昨日もインサイド(内角)にきていたので、ないと思っていた」。想定外の配球にも、本能で反応した。投手視点ではベストの際どさ、厳しい1球。強振すれば右方向へのファウルとなるのが常だが、中堅への放物線にした。「(バットの)芯付近だったので、アプローチとしては悪くなかった」と涼しい顔だが、驚異の一撃だった。
背負う使命を一振り、一振りに込めた。3回の第2打席。近藤が先制二塁打を放ち、なおも無死二塁。安楽のフォークを右中間へ運んだ。少し体勢を崩し、タイミングを外されながらも、さばき切るテクニックとパワー。前回、8月25日の首位は「1日天下」で終わったが、繰り返さない意思十分の2ラン2発だった。今季2度目、プロ通算3度目の1試合2本塁打で、チームの士気を上げた。
7日ロッテ戦で2イニングの調整ながら59日ぶりに先発復帰。投手離脱中は傷心を隠し、仲間たちに気丈に振る舞っていた。「僕には(挽回の手段が)打つ方もあるんで。ズルいでしょ」などとおどけていたが、チームがV戦線を抜け切れない責任を痛感していた。「2本目は、すごかった。度肝を抜かれた」。そう栗山監督も驚嘆した一撃で、投手で貢献できなかった借りを返した。【高山通史】
▼日本ハム大谷が楽天戦で今季21号、22号を放った。1試合2発は14年7月5日ロッテ戦(QVC)、今年8月6日ソフトバンク戦(ヤフオク)に続き、今季2度目、通算3度目。現在336打席の大谷がシーズン最終規定打席443をクリアするのは難しく、この日の2発で日本ハムの規定打席未満最多本塁打21本(95年ブリトー)更新が確実となった。規定打席未満の最多本塁打は88年ブライアント(近鉄)と03年ペタジーニ(巨人)の34本で、日本人選手だと83年田淵(西武)の30本。
▼日本ハムが勝ち、2位ソフトバンクが敗れたため、今日11日にも日本ハムに優勝へのマジックナンバーが点灯する。今日の点灯条件は日本ハムが楽天に○の場合はソフトバンクが西武に△か●。日本ハム△でもソフトバンク●なら点灯し、いずれもM13が出る。



